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アメリカがどうしても中国共産党を破滅に追い込みたい「本当のワケ」

存在そのものが問題だ

アメリカは、中国を断じて許せない

米中貿易戦争のゆくえを、人びとは心配している。

だが、これは「貿易」戦争ではない。「経済」問題でもない。国際社会の「覇権」争いですらない。

かつてナチズムと戦い、軍国日本と戦い、ソ連と冷戦を戦ったのと同質の、総力をあげての価値観の激突である。アメリカは、いまあるがままの中国を、断じて許すことができないのだ。

それは、なぜなのか。これをわかるには、いまの中国社会のあり方を理解すること。そして、それがアメリカの人びとに、どう映っているかを理解すること、が必要だ。

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中国社会を理解する補助線は、まず、単位制度である。

「単位」(working unit) 。ほとんどの日本人は知らないかもしれないが、中国人なら誰でも知っている。中国共産党の基盤であり、「社会主義市場経済」の大前提である。単位という独特の存在について、まとめておこう。

 

中国共産党は解放前、長いゲリラ活動を経験した。根拠地では、軍隊と生活が一体化していた。実物経済で、自給自足を原則とする。どこか一部(単位ダンウェイ)がやられても、残りの単位が活動を続けられる。革命のため、遊撃戦のため、必要な組織原理だ。共産党の規律が、なにものにも最優先された。

共産党は、ピラミッド型の官僚組織である。上級の指令は、絶対である。そして、党が軍を指導する。軍のどの部隊にも、政委(政治委員)がいて、司令官を指導した。軍と党の組織は重なっていて、厳格な級別(ランク)に分かれていた。

級別は、時期により組織によって、呼び方はさまざまである。だいたいのところを示せば、上から、正軍級/師団級/県処級(連隊相当)/郷科級(大隊相当)/科員級/…、などとなっている。これがさらに、正副に分かれていたりする。

幹部の待遇も、級別による。配給の食糧(穀物や肉の量がどれくらいか)、宿舎のランク、兵卒がつくか、どの程度の機密情報に接することができるか、などが級別ごとに決まっている。

解放後、中華人民共和国が成立すると、共産党は都市部を統治することになった。そこで都市部に、単位制度を持ち込んだ。都市部の組織は、軍隊ではないが、軍隊の場合と同じ考え方で組織するのである。