# 民泊

京都・民泊バブル「はしご外し」の顛末

優先すべきは観光か? 市民生活か?

ゲストハウスの「ババ抜き」が始まった!

今、京都の不動産市場では令和2年3月に向けて、 ゲストハウスのババ抜きが始まっている。

投資家向け不動産情報「楽待」を見ると、 京都市内のゲストハウスが山のように売りに出ている。 京都市内でのゲストハウスは以前から大量に市場に出回っていた。 それもそのはず、この観光ブームに乗って、京都なら十分集客も見込めるだろうという楽観的な憶測が不動産投資家の間では蔓延していた。

 

確かに京都市長もホテルが不足していると正式に宣言をしており、外国人観光客も平成29年まで右肩上がりで増え続け、京都市は観光立国・日本のシンボルのように扱われていたことは、それを裏付けるには十分だった。

ゲストハウスのいいところは、ホテルや旅館のように旅館業法の厳しい指導下にないため、設備投資にコストが掛からない。一室から開業できる。 この手軽さと観光ブームは京都の住宅事情を一変させた。

接道もほとんどない再建築不可物件、築100年の古民家、通常ならいくら値を下げてもなかなか買い手がつかないような物件がいくらかコストを掛けて改装することで、京都らしい情緒あふれるゲストハウスに早変わりし、倍の値段で売れるようになった。 まさにバブルのように倍々ゲームで売れるという嘘のような話がここ数年あったのである。

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祇園周辺で爆発的に増えたゲストハウス

東山の八坂神社のすぐ南、石段下と呼ばれている地域に30坪程度の京町家がオーナーの都合で不動産会社に3000万円で売却された。不動産会社は購入直後、別の不動産会社へ5500万円で売却、さらにその物件は別の業者が9000万円で購入後、多少手を入れて1億5000万円で売りに出された。

さすがに30坪の京町家が1億5000万円は高すぎたのか、最終的に1億2000万円程度で買い手がついたと聞いている。しかし、3000万円だった物件が転売を繰り返し、わずか数ヵ月で1億2000万円になるとは豪勢な話だ。当時、不動産業者からこんな話をしばしば聞いた。

もちろん、何でもかんでもというわけではないが、 立地がよければ売れる。センスのある不動産会社の手にかかってリノベーションをすれば、あっという間に価格は跳ね上がった。

特に、清水寺や高台寺、 祇園と呼ばれる地域を抱える東山区は路地も狭く、 古い京町家が突出して多い地域だったが、 市街地にほど近くゲストハウスの条件にぴったり当てはまった。 そして、爆発的に増えていったのだった。