〔PHOTO〕iStock

『いだてん』に思う、日本の水泳選手は「古式泳法」で五輪に挑んだ?

顔をつけずに泳いだ…のか?

『いだてん』に現れた「古式泳法」

『いだてん』20話では、アントワープオリンピックの選手団の悲痛な報告が印象的であった。

ドラマではマラソンと同じく、水泳にも注目している。

日本水泳陣の強さが、やがて東京へのオリンピックにつながるからだろう。

ただこのアントワープ大会では惨敗したらしい。

敗退した北大生・内田正練の「日本も早急にクロールを修得しなければならない!」という叫びが印象的だった。

 

オリンピック前には、クロールなんかおれの「片抜き手、ひとえ伸し」には勝てんじゃろ、と言っていた。

ということはだ、この内田選手は、ベルギーのアントワープのプールにおいて、世界の強豪がクロールでぐんぐん進むなか、優雅に「片抜き手、ひとえ伸し」ですいすいと泳いでいた、ということになる。ほんとにオリンピックで「抜き手」で泳いでいたのだろうか、と少し調べたが、ちょっとわからなかった。クロールに負けたことが衝撃的で、それまでの泳法についてはあまり顧みられていないようだ。

「抜き手」というのは、日本の古来の泳法である。

わたしも子供のころ、少し習ったことがある。

もちろん小学校ではふつうに「クロール、平泳ぎ、背泳」を習っていた。バタフライを習った覚えはないですね。小学3年4年のときは「臨海学校」があって、たしか2泊3日、そのとき海を1キロ泳ぐ「遠泳」があって、全員参加ではなかったけれど、それを泳ぎ切って「冷やし飴」(飲み物です)をおいしく飲んだ覚えがある。遠泳は平泳ぎで泳いだ。

その遠泳のあとに、ある水泳教室に入った。

うちの父も母もその水泳教室に通っていたので、だから私も入れたのだろう。

ただ、水泳教室というものではなかった。

日本の古式泳法を教えるところだった。

「踏水会」という名前の水泳学校で、京都市の真ん中の疎水にあった。

戦前は「ぶとっかい」と呼ばれていたと母は説明する。ぶとっかいと言われて、どういう文字なのかわからなかった。どうやら「武徳会」というものだったらしい。京都の人は(関西の一部では)ときどき言葉を詰める。「仏壇」は「ぶったん」である。それで「武徳会」はぶとっかい。