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女子サッカー日本代表「なでしこJAPAN」のFWとして何度もワールドカップに出場した丸山桂里奈さん(36)。特に2011年のドイツワールドカップでは、見事なプレーで優勝に大きく貢献した。
引退後はタレントに転身し、バラエティ番組を中心に大活躍。底抜けに明るいキャラクターとぶっちゃけトークでお茶の間に親しまれている。そんな丸山さんに、女子サッカー選手のお金事情や、タレントとしての懐具合について“ぶっちゃけ話”を聞いてみた。
「好きだった男の子に誘われたから」
小学校6年生の時、丸山さんがサッカーを始めたのは、なんともかわいらしい理由だった。
もともと足が速く、運動神経抜群だった丸山さんはすぐに頭角を現す。東京・村田女子高校時代は全国3位に輝き、日体大時代は大学女子サッカーで4連覇を達成。卒業後は東京電力に入社し、女子サッカー部マリーゼに入団した。
「東電の社員だったので、待遇は他の社員と同じ。私は大卒だったから給料は手取りで22万円ぐらいで、その他にボーナスが年3回ありました。日本の女子サッカー選手は、男子とは違い、働きながらサッカーをしている選手がほとんど。他のチームには、チームの試合でも休みを取りづらかったり、1日中働いてから夜に練習をするという選手もいました。
ただ、私のいたマリーゼでは、勤務は午前中3時間のみ。午後はサッカーの練習に没頭できたし、試合の次の日は休ませてもらえたりと、とても恵まれていました」
恵まれた環境だったにもかかわらず、入社から4年後、丸山さんは退社を決意。アメリカのプロリーグWPSのフィラデルフィア・インディペンデンスに移籍した。
「他の選手からは、『どうしてそんなリスクのある道を選ぶの? 東電の社員を続けていれば、引退後の生活だって保障されているのに』と不思議がられました。でも、私は『仕事をせずにサッカーだけに集中してみたい』『プロとして勝負してみたい』と思っていたんです。たしかに、社員を続けていれば、金銭面の不安はないかもしれないけれど、先のことばかり考えて“今”を見失うのはイヤだなって」
アメリカでは、女子サッカーは、野球やバスケットボール、アメフトに次ぐ国民的な人気を誇るスポーツ。選手へのバックアップも手厚く、収入面でも日本とは大きな違いがある。
「私の場合は、1クール(試合のない期間も含めて約1年間)で1000万円の契約でした。私はトライアウトを受けた末の契約だったので、普通にプロ契約を結んだ選手なら報酬はもっと高いはず。代表クラスのスター選手ともなれば、スポンサー契約などもあるので収入は億単位かもしれません」
外国人選手である丸山さんには、チームからホストファミリーが手配され、移動のための車も与えられたという。女子サッカー人気が高いアメリカでは、選手の受け入れを歓迎する家庭が多く、丸山さんもホストファミリーから手厚いもてなしを受けた。
「弁護士をしている裕福な家庭で、家にはジムやプールやサッカーゴールもありました。ただ、ファミリーの子供たちが『カリナ、一緒にサッカーしようよ!』と誘ってくるんです。私はすでに練習を終えてきた後なので、『今からまた練習かぁ』とヘトヘトでしたが(笑)」
1年間のアメリカ生活を終えて帰国し、ジェフユナイテッド市原・千葉レディースに移籍後も、丸山さんはサッカー一筋で生きることを選んだ。一方で、チームメイトのほとんどがアルバイトで生計を立てており、朝8時~夕方5時まで運送会社でバイトして、夜練習し、その後もまたバイトに行くという選手もいたそうだ。
「でも私は働きたくなかったんです。サッカーのために仕事をしているはずなのに、仕事で疲れ果ててサッカーどころじゃなくなっている選手をたくさん見てきましたから。ただ、私の場合は実家暮らしだったし、アメリカ時代の貯金もあったので何とかなりましたが、みんな本当にお金に困っていましたね。ひとり暮らしだと、食べるものにさえ困る生活で、友だちから食料を貰う選手もいたし……」
とはいえ、丸山さんも、交通費を削るため、電車に乗らずに走ったり、自転車で移動するなど節約につとめた。だが、貯金も底をつき「そろそろ働かないとヤバい」と思い始めた頃に、ドイツワールドカップへの出場が決まったという。
ドイツワールドカップでのなでしこJAPANの活躍は、東日本大震災直後の日本に大きな勇気を与え、国民栄誉賞を受賞。選手は連日メディアに取り上げられ、一躍スターの座に躍り出た。
きっと優勝賞金などでさぞかし莫大な金額を手にしたのだろう……と思いきや、そうでもなかったようだ。
「日本の男子選手は、もしワールドカップで優勝したら1人5000万円ほどもらえるらしいですが、私たちは出身自治体などからいただくものも合わせて1人800万円ほどでしたね。やっぱり格差があるなと感じたけれど、それでもこれまでの生活を考えるとありがたかった。代表チームに入ると1日あたり1万円の日当が支払われるので、『サッカーしてお金がもらえるなんて夢のようだね』と選手たちはみんな話していましたから」
男子選手との格差は賞金だけではない。男子の国際試合では、試合後、相手チームとユニフォーム交換をする光景が見られるが、女子選手はご法度なのだという。
「交換すると新しいユニフォームを買わなくてはならず、費用がもったいないから『交換しないでね』と念を押されていたんですよ」
ワールドカップで優勝を果たした翌年、丸山さんはジェフ千葉からスペランツァFC大阪高槻に移籍。しかし、運営会社が経営不振となり、社長が夜逃げするという事態に。プロ契約を結んでいたが1年間ノーギャラになり、再び貯金を切り崩しながら生活する日々が続いた。
「常に目先のお金よりもサッカーを優先して生きてきましたが、人生の節目節目で、貯金に助けられたのは事実。貯金がなかったらバイトせざるを得なかったし、やっぱりお金の存在は無視できないんですよね」
そんな丸山さんが、「これ、現役時代にあったら良かったなぁ」と思わず口にしたのが、サービス開始2年にして大ヒット中のおつり投資アプリ「トラノコ」だ。
トラノコは、日々の買い物から簡単に投資・資産形成が行えるアプリだ。クレジットカードや電子マネー、ECサイトのアカウントをアプリに登録すると、買い物のたびに買い物データがアプリに表示され、そのおつり相当額が投資金額として積み上げられていく仕組み。5円以上1円刻みで超少額からの投資が可能だ。
「私はクレジットカードをよく使うので、カードと連動させたいです。購入履歴が一覧表になるので、いつ何に使ったのかがひと目で分かって便利! カードの明細代わりになりますね」
さらに、トラノコは丸山さんのような初心者の強い味方だ。月々のおつりの投資先は、「小トラ」(安定重視で運用)、「中トラ」(中間的なリスクで運用)、「大トラ」(リターン重視で運用)の3つのファンドから選ぶだけ。いずれも世界中の株式、債券、REIT等を組み合わせることでリスクの分散を図っている。
「どれに投資したらいいのか分からないから、人に聞いたり調べたりしないといけないのが面倒だと思っていたけど、トラノコなら3つの中から選ぶだけなので簡単ですね。それに、投資をやってる人って、常にモニターをチェックしたり、精神的に落ち着かないだろうなというイメージだったんですよ。
でも、トラノコなら気が向いた時にスマホで投資の状況を確認すればいいだけなので手軽ですね。正直、投資には良いイメージがなかったんですが、トラノコで投資のイメージが変わりました」
さらに、トラノコではお買い物やクレジットカード決済等で貯まるポイントを投資することも可能。現在、対象になっているのは、Gポイント、ネットマイル、ポイントタウン、リアルペイのポイントとANAのマイルだ。投資できるポイントは今後どんどん拡大する予定という。
「カードのポイントを貯めているので、ポイントを有効活用できるのはうれしい! 設定しておけば自動的に投資してくれるから、練習と仕事で忙しい現役選手にもおすすめです。私の偏見かもしれないけど、アスリートは計算弱いから(笑)」
2016年に引退後は、タレントに転身。今や、テレビで見ない日はないほどの活躍ぶりで、収入も現役時代とはケタ違いだ。
「給料は歩合制で、高いときで月収300万円を越えたときもありました笑。でも、あまり物欲がないので、使っていないんですよ。本来、貯金は得意じゃないんですが、貯金しているというよりも、使わないので残っているという感じです」
ただ、女子サッカー界では、丸山さんのように順調なセカンドキャリアを築ける人はごく一部。というのも、代表チームで活躍した一流選手でさえ、その後のキャリアに悩む人が少なくない。
「指導者になっても、報酬が安くて苦労している人もいます。解説者も、女子サッカーは試合の放送自体が少ないので、満足に仕事があるとは限らない。私は、たまたま様々なご縁があってタレントとしてお仕事できているのでラッキーですが、周囲の支えがなかったら今頃どうなっていたのか分かりません。
そう考えると、引退して新たなスタートを切ろうとするときに、お金があれば気持ちの上で安心できますよね。若い頃からコツコツ投資を続けていれば、長い目で見て自分の人生に役立ちそうな気がします」
“長い目”が必要なのは、女子サッカーにもいえることかもしれない。ワールドカップ優勝直後は、国民的ブームとなったが、時間の経過とともになでしこリーグの観客動員数は減ってきている。
「なでしこJAPANが世界で活躍するためには、リーグが盛り上がることが必須。ぜひ、なでしこリーグに目を向けてもらって、好きなチームを見つけたり、継続的に応援してもらいたいですね。同時に、選手も『この人たちを応援したい』と思ってもらえるようなプレーを見せてほしいなと思います」
少しずつでもコツコツ続けていれば、大きな結果がついてくる。それは、スポーツも投資も同じなのだ。
取材・文/音部美穂 撮影/池田博美
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