2019.06.28
# AI # ライフ

女性の声のAI、性的な広告...炎上は「悪気のない偏見」から生まれる

私たちの中にある「暗黙バイアス」
治部 れんげ プロフィール

「悪気はない」という問題

昨年末に設置され、今年はじめからSNSで批判をされるようになった、女子ハンドボール世界選手権大会の広告を例に挙げてみよう。熊本市内に設置された複数の街灯バナーにはそれぞれキャッチコピーが掲載されており、特に問題とされたのが「手クニシャン、そろってます。」「ハードプレイがお好きなあなたに。」と記されたものだった。

〔PHOTO〕iStock

筆者はこの炎上事例をフジテレビ「とくダネ!」が3月5日に放送した際に解説役を務めた。以下、同番組取材班の調査と取材結果を引用したデータを紹介する。

まず、「ハードプレイがお好きなあなたに」というキャッチコピーはあり? なし? と尋ねたところ、68.4%が「なし」と回答している。理由は「下ネタを連想させるから」という意見が多かった。男女別で見ると男性で66.9%、女性で70.4%が「なし」という回答だった。

広告は12月末に設置され、3月始めにTwitterで、とある男性が写真を載せた。番組の取材によれば、投稿した男性は「選手を性的なジョークで茶化していると感じた」という。Twitterでは、この投稿を受けて「下品だ」「男子の競技なら使わないはず」と広告に対する批判が集まった。

大会事務局では、指摘された2種類の広告を撤去すると共に、ウェブサイトにお詫びを掲載。事務局の担当者は「ハンドボールを知っていただきたいとの目的でしたが、一部のコピーの表現について配慮が不十分であり、不快な思いをされた方がいらっしゃることについて大変申し訳なく思い撤去しました」と述べている。

 

このように、第三者が見ると「ありえない」とか「なぜ、こんなことをしたのだろう」と思う炎上事例には、特徴がある。それは、制作側に悪気はないこと

女子ハンドボール事務局は、認知度の向上を狙い、多くの人に試合を観戦してほしいという意図で広告を作成している。本来、好感度を上げる目的で掲出される広告で、なぜ、広く不快感を覚えさせるような表現になってしまうのか。

関連記事