ジャニー喜多川氏「奇跡の5時間インタビュー」を全文公開する

彼はどう生き、何を考えたのか
現代ビジネス編集部

しかし、ジャニーズ事務所は他の芸能プロダクションのように一般的な意味での新人の募集は行っていない。募集の告知もしなければ、定期的な採用もしていない。それでも、履歴書は毎日送られてくる。

「小学5年生の時、光GENJIを見ておもしろそうだなと思って応募したんです。でも、そんなに熱心じゃなかったから、履歴書を出したことも忘れてしまって。そうしたら1年後ぐらいに、突然オーディションの通知が来て。でも試験を受けて、採用の通知が来たのは、それからまた1年後。だから、てっきり落ちたのかと思ってた」とTOKIOの長瀬智也は採用までの経緯を話す。

応募からジュニアとしての採用までにブランクがあったのは長瀬だけではない。同じTOKIOの山口達也、松岡、少年隊の錦織一清、SMAPの中居正広なども返事が来るまでに1年以上の長い歳月が過ぎている。こうしたブランクは定期採用をしていないせいもあるが、それ以上に新人タレントの採用業務を社長のジャニー喜多川がたった一人で行っているためだ。

中居正広〔PHOTO〕Gettyimages

社員も知らない“秘密製造工場”

ジャニー喜多川。ジャニーズファンでなくても、彼の名前を耳にした人は多いだろう。彼はジャニーズ事務所の創立者であり、これまで事務所所属のすべてのタレントを発掘し、大スターに育ててきた現役の名プロデューサーである。

「夜にパッパッパッだけど、送られてきた履歴書は全部、自分で開けて、自分で見ます。これだけは何十年やっているけど、人の手を借りたことはない」とジャニーは断言する。

 

新人育成に対する彼の拘(こだわ)りは徹底している。20年以上務める幹部社員でさえ、「オーディションやレッスンに関しては、社員といえどもよく知らないんです」と話す。

ジャニー喜多川の新人タレントの採用方法はユニークだ。

「ある企画を思いつくと、その企画にはこういう人がいいな、となりますよね。そうしたら、履歴書の中からピッピッとコンピューターに入れておくんです。それで、スケジュールが空いた時、時間がもったいないからオーディションをやろうと、急にやるんです。当然速達で報(しら)せが行くから、受ける方も大変じゃないかな」

オーディションも至ってシンプルだ。ジャニーが少年たちと会話をするだけである。ダンスのテストさえしないときもある。しかし、手抜きをしているわけではない。それどころか、ジャニーはオーディションの準備から通知の電話まですべて一人で行い、子供たちの自然な表情や性格を観察している。

「人を見て、態度を変えるような子は駄目なんです。どこにいても子供は自然じゃなきゃいけない」

さらにオーディション抜きで、履歴書だけを見て、採用を決定するケースもある。SMAPの中居や少年隊の錦織もオーディションは受けていない。突然返事が来て、すぐにジュニアとして採用されている。

「踊りのうまい下手は関係ない。うまく踊れるなら、レッスンにでる必要がないでしょう。それよりも人間性。やる気があって、人間的にすばらしければ、誰でもいいんです」

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