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「羽田新ルート問題」が露呈させた“日本の民主主義”の危機

「経済効果」に騙されてはいけない

 羽田新ルートと住民の「怒り」

筆者の日々暮らしている品川区そして隣の港区、渋谷区の中で大きな“困りごと”が起きている。羽田低空飛行ルート問題という。大型旅客機が都心のど真ん中を400メートル、300メートルと高度を下げて羽田空港に着陸するルートだ。2020年を目ざして計画されている。

 

初めてこの話を聞いたとき、正直言って信じられなかった。なんであえて人口の密集した地域の上空を飛行航路に選ぶのか!

統一地方選挙のあった2019年4月の直前に、品川区議会(40名)が、この国策に対して全員一致で「容認することはできない」という一つの決議を行った。これにはいつもイデオロギー的に左右に分断する政党間の違いはなかった。当たり前だろう。80デシベルの騒音(パチンコ店の中!)と落下物の危険性、日常生活と環境破壊に対し、賛成する住民などいるはずがない。

しかし昨年の12月20日を皮切りに、国交省が近隣の渋谷区、港区などを含めて、「羽田新ルート」にかかる「地域住民への教室型説明会」をやるたびに、住民の怒りは増すばかり。口では「丁寧な説明」と言うが、実情はほど遠い。マスコミはシャットアウト、写真、録音・録画の禁止、質問は一人3分以内……。これで国際比較「寛容さ92位」の意味が分かろうというもの。いったい日本は民主主義国なのか!

以下、日本の民主主義、経済効果と国民の幸福、持続可能な社会の形成などをめぐって、筆者の公共哲学の視点から意見を開陳したい。