「日の丸液晶」JDIは、中国ファンドに喰い散らかされるのか

まさに、まな板の上の鯉
鏑木 邁 プロフィール

中国ファンドの目算

JDIを取り巻く今後の展開について、ベテラン経済誌記者はこう解説する。

「まず、運転資金のショートにより倒産するかしないかが一つの大きなポイントです。

倒産後の法的整理は会社更正か民事再生のどちらかになるわけですが、経営陣が交代する会社更生の場合、現行の株は無価値になります。もし、中国ファンド側が出資まで時間を稼いで倒産させた場合、会社更生のスポンサーになれれば、より割安でJDIを手に入れることができる。ただ、これはさすがにモラル違反とみなされるため、現実的には難しいでしょう。

 

倒産させない場合は、有機ELの技術が中国側に移り、日本国内の製造拠点などは必要最小限に整理されるため、従業員が解雇されるなどの負の影響が出てくる。中国ファンド的には儲かる部分だけ切り取れればそれでいいわけですから、当然と言えば当然です。

おそらく、ファンドは3~5年くらいのスパンで企業価値を高めて株を売り抜ける算段でしょう。JDI株は1株50円で中国ファンドなどに引き渡されますが、19日の終値は61円なので、約2割も安く買えている。うまくいけば相当の利益を上げられるはずです。

経産省やINCJも新しく交渉先を見つける時間はないですから、JDIは完全に『まな板の上の鯉』ですね」

白山工場のある石川県の谷本正憲知事は18日に「再就職先についてJDIは責任を持って対応すべきだ」と不満をにじませた。

経産省が主導した「日の丸液晶」は巨額の税金を投じた挙げ句、開発した技術を中国に安く買いたたかれることになった。JDIは「雇用を守る」と言い続けてきたが、結果として大量の雇用を失うことになった責任も重い。

もはや、選択肢は残されていない。あとは台湾資本の鴻海精密工業の下で経営再建したシャープのように、中国資本下で復活を果たせるかどうかーー。

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