「日の丸液晶」JDIは、中国ファンドに喰い散らかされるのか

まさに、まな板の上の鯉
鏑木 邁 プロフィール

おそらく、それが後押しして今回の積み増しにつながったということでしょう。中国側からすれば、今後事業会社として中国パネル大手を仲間に加え、JDIの技術を割安に仕入れられる旨みがあるわけです」

当面、27日に出資が正式決定されるかが焦点となる。「まるで底なし沼」と呼ばれるほどの赤字体質のJDIにとって、最後の最後まで油断できない展開が続きそうだ。

苦肉の策

そもそも、ハーベストとオアシスによる今回の約800億円の出資も、目先の運転資金の確保という面が大きい。

JDIは2019年3月期決算で自己資本比率が0.9%と、もはや債務超過寸前。その上、事業継続に必要な現預金についても、上場前の14年3月末時点では約1400億円あったが、19年3月末にはその約半分の680億円にまで落ち込んでいる。

JDIは4月にもINCJから当面の運転資金として200億円の融資を受けた上、INCJに有機ELパネル製造のJOLED(ジェイオーレッド)の株式を譲渡することで、約450億円の借入金と相殺してもらったばかりだ。

 

だがJDIは中台連合の離脱を防ぐためにも、財務体質強化を進めてきた。今月12日には、アップルの要請に応じて約1000億円を投じて建設した石川県白山市の液晶パネル工場の一時稼働停止と、千葉県茂原市の工場の閉鎖を決めた。

さらに、国内で1200人の希望退職者の募集も始めている。苦肉の策である。大手証券ストラテジストはこう分析する。

「今回の処置により、新たな減損が出るのは確実で、INCJからのつなぎ融資分と借入金相殺分は吹っ飛んでしまうでしょう。さらに、人員整理で約200億円の費用削減効果があると言われますが、90億円は退職金として支払わなければなりませんから、手元の現金が出ていくのは変わりありません。

3ヵ月以内に中国ファンドなどからの出資が実行されなければ、手形の不渡りや経費支払いの滞りなどで倒産する可能性も決して小さくない」

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