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配偶者と死別した後「認知症にならない」高齢者の共通点

死から「3ヵ月」が大切です

妻や夫に先立たれたことでスタートする第二の人生。ところがひとつ道を誤るだけで、その先には恐ろしい結末が待っている。最愛のパートナーを失ってから、人はどう生きるべきなのか――。

3割の夫が早死にする

「はやいもので、妻の仁美を脳内出血で亡くしてからもう20年が経とうとしています。彼女が息を引き取った直後は、何も考える余裕がなかった。通夜に葬儀の準備、そして近親者への連絡など、やらなければいけないことが山積みだったからです。

でも、それがかえって救いにもなった。忙殺されている時間だけは辛い現実から目を背けることができました。

でも、通夜や葬儀、もろもろの役所手続きが終わって一息ついたら、仁美を亡くした喪失感がジワジワと湧き上がってきた。真綿で首を絞められるように、彼女との死別を実感するようになったんです」

そう語るのは、広島県在住の原口昭さん(80歳/仮名)だ。

 

配偶者を失ってしまった「おひとり様」は、いまや全国で1000万人。多くの人は長年連れ添った最愛のパートナーと死に別れた喪失感に苛まれ、無気力な日々を送るようになるもの。その結果、不健康な生活が祟り、病気や認知症リスクの上昇を招いてしまう。

米・ロチェスター工科大学が'12年に発表した研究報告では、妻を亡くした男性の余命は、同年齢の平均余命よりも短くなる可能性が30%も高かったというデータが示されている。

だが一方で、パートナーを亡くした悲しみから立ち直り、ピンピンで暮らしている人だっている。その分かれ目となるのは――妻や夫の死から3ヵ月をどう過ごすか。その一点に尽きる。

「パートナーに先立たれた方がその後も元気に生きていくためには、配偶者と別れてからしばらくの過ごし方が一番大事です。また、この時期はどうしても気分が沈み、うつ病の発生率も高まる。同時に食欲不振になり、体調も崩しやすいものです」(保坂サイコオンコロジー・クリニック院長で精神科医の保坂隆氏)