高級食パン・大行列20店を食べ比べてわかった「本当においしい店」

高いお金を払っても食べたい逸品は…
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一方、4位にランクインしたのは、「生食」でこそ味わいたい逸品。冒頭で登場した「セントル ザ・ベーカリー」の角食パン(2斤972円)だ。

「しっとりしていて、口当たりが良い。ですが、甘さは控えめで食後の余韻が軽いので、あっさりと食べられます」(前出・佐藤さん)

比較的新しいお店が人気の食パン市場だが、老舗だって負けていない。5位になったのは、浅草で昭和17年に創業した「パンのペリカン」の食パン(2斤860円)だ。

 

時代とともに変化する日本人の生活環境を考慮して、レシピの塩や砂糖の量を加減する一方で、戦後は、食パンとロールパンの2種しか作らないという厳格なスタイルを守り続けている。

「リッチ感の強い他の高級食パンと比べると、シンプルな味わいですが、昔ながらのほっとする味だからこそ、毎日食べたくなる。いまだに土曜日は開店時に100人並ぶこともある。根強いファンがいるのも納得できます」(前出・肥田木さん)

6位となったのは、前述の「乃が美」だ。社長の阪上雄司氏は、食パン店を始める前には焼肉屋を営み、その後、現在に至るまで大阪プロレスの会長を務める異色の経歴の持ち主。

阪上氏は地域貢献の一環として、レスラーと老人ホームを慰問した際、「硬くて食べにくい」と食パンの耳が残されているのを見て、「耳まで柔らかいパンを作りたい」との思いに駆られたという。

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だが、パン製造となると素人。何の知識もない状態から始めて、「生」食パンを作り上げるのに2年の歳月を要した。

「『生』食パンは、耳まで柔らかく、甘みが強いため、リッチな味わい。だからこそお土産にしても喜ばれます。甘さの余韻が口に長く残るので、一度食べただけで印象に残る。毎日食べるというよりは、スイーツ感覚で食べたいパンです」(前出・肥田木さん)

新たな潮流を生む人気店が台頭する一方で、昔ながらの伝統を守る名店も愛され続ける。たかが食パンと思いがちだが、日常的に食べるものだからこそ、自分の口に合った味を見つけたい。

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