高級食パン・大行列20店を食べ比べてわかった「本当においしい店」

高いお金を払っても食べたい逸品は…
週刊現代 プロフィール

本誌が選んだ本当においしい食パン第1位は、銀座の老舗レストランが直営するパン屋「ブーランジェリー レカン」の国産小麦の角食パン(1斤432円)だ。

ボルドーに特化した神保町のワインバー「レピック」のシェフ、佐藤紘子さんは、試食した感想をこう語る。

「高級レストランが、料理に合うパンというコンセプトで作っているだけあって、シンプルながら完成度が高い。丸みのある甘さと、ほのかな塩味が絶妙なバランスで調和していて、生で食べても、焼いてもおいしい」

行列のできる食パン専門店と違って、並ばなくても買えるのもうれしい。

 

「高い=おいしい」ではない

レカンと同様に、20種のパンのなかでもひときわ存在感を放つのが「シニフィアン シニフィエ」の「パン ド ミ」(2斤1188円)だ。高評価を得ながらも、僅差で2位となった。

オーナーシェフの志賀勝栄氏は、低温長時間発酵のパイオニアとして多大な影響力を持つパン職人。完熟する前に収穫し、1ヵ月以上寝かせて糖度を上げる二十世紀梨から着想を得て、パン生地を低温で12時間以上発酵させる製法を確立させた。

自らもベーカリーを営み、吉祥寺でパンの朝市を主催する中田よしこさんはこう話す。

「通常、食パンは小麦の量に対して60%前後の水を加えて作ります。一方、フランスパンは70%と加水率が高いため、もっちりとした食感に仕上がる。志賀シェフは、加水率を高めることで、フランスパンのような食パンを求めたのでしょう。

水を多く加えれば、しっとりとした仕上がりになりますが、水分の多い生地は脆いため、焼き上がり後、型から出した際に崩れることが多い。志賀シェフの食パンは、熟練の技術によって、加水率が高く、軽やかな食感でも崩れない絶妙なバランスなのです」

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「シニフィアン シニフィエ」から始まった高加水製法をより一層極めたのが、3位に輝いた「ジュウニブン ベーカリー」のジュウニブン食パン(1斤486円)だ。

小麦粉を熱湯でこねる昔ながらの製法を突きつめることで、120%もの高加水率が実現された。

数々のパン屋を取材してきたライター・肥田木奈々さんはこう話す。

「そもそもフランスパンは、硬く焼き上がった皮こそ、おいしさの要とされていました。

ジュウニブン食パンをはじめ、フランス系の技術がしっかりしたパン職人が作る食パンは、皮がパリッと焼き上がっていて香ばしい。甘さも控えめなので食事と合わせやすく、シーンを選びません」

ここまで、生でも焼いてもおいしく、食事に合わせやすいパンが上位を占めた。1位は、所謂普通の食パンに近いふんわりタイプ。一方で、2位、3位は皮がパリッとして中がもっちりとしたバゲットに近い食パンで、2位のほうがあっさりした味わいになっている。

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