まさか! 530年前の「英国王の遺骨」が、駐車場から発掘された?

「歴史のウソ」をDNA鑑定が暴いた話
石浦 章一 プロフィール

「DNAだけが知っている」歴史とは?

あなたはいったい、自身の祖先を何代前まで遡ることができるだろう?

5~6代? あるいは10代以上という人もいるだろうか?

過去の歴史を知りたいとき、私たちは通常、文書に残された記録をひもとく。各時代の公的な歴史=「正史」に記された物語を読むこともあるし、一族の来歴であれば、口承で伝えられたファミリーヒストリーが残されているかもしれない。

いずれにしても、それらは、言語を介したものだ。

そう、私たち人類は、自らの来し方を「言葉」を通じて振り返り、代々受け継いできた。そして時に、その物語には「飛躍」や「欠落」、あるいは「意図的な秘匿」があり、歴史のミステリーとして、後世に生きる者たちの想像力をかき立ててくれる。

しかし、歴史をいまに伝えるのは、書き言葉や話し言葉に限ったものではない。「DNA」という分子に刻まれた「遺伝子」もまた、私たち人類がたどった過去の時間を記録している。

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──歴史は、言語だけでなく、DNAによっても紡がれているのだ。

DNAが歴史のミステリーを解き明かす!

2010年代に入って以降、DNAに刻まれた歴史を読み解く試みが多数なされ、科学論文として報告されてきた。

その対象となったのは──、家系が克明に記録され、なおかつ遺体(遺骨)がなんらかのかたちで保存されてきた人たち、すなわち「王家」の人々である。