エロ本がコンビニからなくなる日に、あるフェミニストが思うこと

昔、私はエロ本をつくる側だった

2019年1月、セブン-イレブン・ジャパン、ファミリーマート、ローソンら大手コンビニチェーンが相次いで、2019年の8月末をもって成人向け雑誌の販売中止を発表した(ミニストップは2018年1月1日より全店での販売を中止)。このことをきっかけに生まれた雑誌がある。“フェミマガジン”の『エトセトラ VOL.1 コンビニからエロ本がなくなる日』だ。

毎号、新しい編集長がいま伝えたいテーマを特集するという同誌。創刊号の編集長を務めたのは、毒親というワードを世間に認知させるきっかけとなったベストセラー『母がしんどい』や、母性神話の抑圧をはねのける育児マンガ『ママだって、人間』で知られる漫画家・ライターの田房永子さん。

2児の母であり、フェミニストでもある田房さんは、コンビニからエロ本がなくなることに「天にも昇るような喜び」を感じたという。でも、かつてはエロ本の漫画で生計を立てていた時期もある。そんな彼女がこの雑誌に込めた思いとは。

※以下、田房さんによる寄稿。

 

堂々とエロ話ができる「男」がうらやましかった

10代の頃、男の人たちは堂々とエロ話ができていいなーと思っていました。男の人たちがエロ話やオナニーの話をしている時、私が仲間に入ろうとすると、ギョッとされて会話が終わってしまったりしました。

20代になってから、飲み会などでエロ話をすると、眉間にしわを寄せて「女の子はそういうこと言わないほうがいいよ」と諭されたり、あとになって「性欲強いんだね」とセックスに誘われたりします。普通の話としてエロい話をすることは、女の私にはできないことなんだなと思い、しないようになりました。

「こんなこと言ったら女の人たちに怒られちゃうなあ~」と男の人たちがヒソヒソ、クスクスとセックスやAVやオナニーの話をしているとき、女が求められるのは、「オーディエンス」力(りょく)です。「なんの話だか分かりません」とキョトンとした顔をするか、「ハイハイ」と呆れ顔で見守る、女はそのどっちかをすることが望ましい、ということを学びました。それが私の属する「女」という性なのでした。

当時の私にとって、その性は、「不自由」に思えました。生まれ変わるなら男がいい、とハッキリ思っている若い女でした。