貯金ゼロ、明日の生活も苦しい…「中年フリーター」の救済策はあるか

就職氷河期世代の支援を考える
小林 美希 プロフィール

なかなか崩れない「年齢の壁」

経済財政諮問会議では、非正規雇用371万人のうち正規雇用を希望していながら不本意に非正規雇用で働く者を少なくとも50万人と公表された。

就業を希望しながら求職をしていない長期無業者や社会とのつながりを作って丁寧な支援を必要とする者など合計100万人程度を支援対象としている。

今後3年間、集中的に支援に取り組み、30万人を正規雇用化する方針だ。これは、過去5年間に同世代が1年当たりに正社員化した倍のペースとなるという。

支援に本腰を入れるかのように見えるが、対象年齢が35~44歳とされていることに国の本気度がどれだけ高いのか疑問が生じる。

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中年層の就職状況について、ある公的機関の就職支援相談員は、「人手不足のため、特に中小零細企業は非正規雇用歴が長くても30代後半までであれば採用に前向きです。相談に来てもらえれば、何かしら仕事は紹介できる状態です。けれど、40代に入ると年齢の壁はなかなか崩れないのが現状です」と話す。

別の公的機関の相談員も、「44歳までであれば正社員の就職は可能だけれど、45歳以上は正直難しい」と実情を語る。

こうしたことから、30万人の正規雇用化というのは30代後半の層で吸収される可能性がある。外国人労働の受け入れを拡大したいくらいの人手不足のなか、支援しなくても自力で正社員採用に至る層が一定いるはず。

 

企業の側も、「非正規では人がきてくれないから正社員で募集をかけるが、実際に
待遇をよくする余裕がない」(中小企業社長)と本音を漏らす。

月給は非正規雇用並でボーナスがあっても1~2ヵ月分。退職金はないというケースもあるため、たんに「非正規」を「正社員」の看板にかけかえただけという実態もある。正社員という雇用の質にも注意する必要がある。

真に氷河期世代を支援するのであれば、バブル崩壊後の経済不況の余波を受けた40代後半の非正規雇用問題も決して無視はできない。これこそ、早急に支援しなければ近い将来の生活保護に直結していく。

現在、氷河期世代を放置することで将来的な生活保護費が10兆円にのぼるという試算も出ているほど深刻な問題だ。