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83歳の元大学学長はなぜ新聞を「死亡記事」から読むのか?

成功者3000人に学んだ「時間の哲学」
上阪 徹 プロフィール

「人生時計」を知っていますか?

もう一人、こんな話をしてくれたのも、やはり70歳を超えたコンサルタントでした。

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「人生時計というものがあるのを知っていますか。その時計のスイッチを入れると、平均寿命から逆算された時間が秒単位で表示されるんです」

日本人の平均寿命は男性81.09歳、女性87.26歳(平成29年)。30歳の人なら50年以上あるわけですが、実はその長さは関係ないといいます。そこに向かって今、いかに猛烈なスピードで迫っていくか、時計を見ているとわかるのだそうです。

「驚くほどあっという間に人生の時間は減っているんです。このことに気づくと意識は変わります。こんなにも人生の時間が急激に減っているのに、つまらないことで時間を使うなんて、とんでもない、と。やらないといけないこと、やりたいことを計画立ててどんどんやっていかないと、あっという間に人生は終わってしまうんです」

著名な方々にインタビューをして原稿を作る、ということも大切な仕事のひとつになっている私は、これまで実に3000人以上の人たちにインタビューしてきました。

そのほとんどの人たちが、いわゆる功成り名を上げた、いわゆる成功者です。経営者や起業家、タレントやスポーツ選手、科学者や作家、芸術家……。

「そういう人たちの共通項ってなんですか」

とはよく問われることで、講演などでも話をすることがあります。

 

例えば、意外に思われるかもしれませんが、圧倒的な謙虚さです。「やっぱり有名な人になると椅子にふんぞり返っているんでしょうか」といったイメージを持つ人が多いようですが、たくさんの有名人に会ってきた私の印象はまるで逆です。

むしろ、長く活躍し続けている人ほど謙虚でいい人、なのです。サービス精神旺盛で、こちらの求めていることを想像し、先回りして行動される。ふんぞり返っているなど、とんでもない。

中には例外がなかったわけではありませんが、ごくごく少数。しかも、そういう人たちのほとんどは、やがて表舞台から去っていきました。

また、見ている景色が大きい、というのも印象に残っていることです。目先の利益ではなく、もっと大きなものを見ている。大きな目指すべきものがある。志が大きい、と表現してもいいかもしれません。

それこそ、モノやサービスは売れたらうれしいわけですが、売ることはゴールではないのです。売ることで人々の生活が潤うこと。豊かになること。幸せになることがゴール。

そんなイメージです。