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土地・建物・預貯金…「名義変更」するだけで、こんなにトクできます

妻にするか、子に変えるか

年金だけを頼りに老後を過ごすのが難しかったとしても、「名義変更」と「死後節税」という2つのテクニックさえ学んでおけば、老後の財産を心配する必要はない。得する方法を実践していこう。

「誰に」変えるべきか

土地・建物から自動車まで、人は一生の中で様々な「財産」を所有する。そして、それぞれの財産には、固有の持ち主、すなわち名義がある。

家を売却したときは、名義(登記簿に記載された所有者)は買った人に変更される。これが名義変更だ。

家を持っている人が亡くなった場合はどうか。故人の財産を「誰に」名義変更するか(妻なのか、子なのか)、相続の際に決めなければいけない。

だが、名義変更は、そうした差し迫った理由でなくても可能だ。むしろ、財産をもらいたい、税金を減らしたいなどといった目的のために、名義は変更できる。

その上で誰に名義変更をするかを決め、さらに「いつ」変更するかというタイミングによって、贈与売却相続など具体的な方法が決まってくる。つまるところ、資産寿命を延ばすのも縮めるのも、名義変更のやり方次第。

 

しかも、そこには7月1日からの相続法改正も関係してくる。どうやれば間違えないのか。順に見て行こう。

まず、預貯金だ。

銀行口座にはそれぞれ名義がある。口座を持っていた人が亡くなれば、口座は凍結される。この口座の名義変更を済ませない限り、亡くなった人の預貯金はもらえない。
肝心なのは、誰に名義変更するかだ。夫が亡くなり、妻と子が残される場合を考えてみよう。

妻に老後の生活資金を残したいときは、相続により妻に名義変更をする。このとき、配偶者は減税制度(1億6000万円か法定相続分まで相続税ゼロ)を活用することで、ほとんど税金を取られずに財産をもらえる。

この制度を使うには、相続税額がゼロであっても、夫の死後10ヵ月までに名義変更を済ませ、税務署に相続税の申告書を提出する必要がある。

一方、妻が高齢なら、そこまでの資金を残す必要はない。その場合、子どもに名義を変更しよう。妻の生活は財産をもらった子どもが支える。

相続税額を減らしたいなら、生前贈与で孫に名義変更する。本来は高額な贈与税がかかるはずだが、教育資金など様々な特例で贈与税をゼロにまで圧縮できるからだ(次章で詳述)。