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いま「主婦になるために一流企業を目指す」20代女子が増えている

若者に聞く、令和の結婚と出産・子育て

晩婚化・非婚化に歯止めがかからない日本。ライフイベントに対する考え方が大きな転換点を迎えている今、20代前半の若者たちは恋愛と結婚をどう見ているのか?

マーケティングアナリストの原田曜平氏が、若者の生の声を聞く座談会。「出会い」のいまを探った前編に続いて、後編では若者たちの「結婚観」について深掘りします。

(構成:稲田豊史)

 

「断片彼氏」を活用している

原田 SNSの登場によって若者が「出会う」チャンス自体は確実に増えているようです。その日突然誘うことができたり、インターンで知り合った人と継続的に連絡を取れるようになったり。また、マッチングアプリという新しい出会いのツールは、それを使いこなすためのリテラシーや労力が必要とはいえ、出会いの幅を拡大したと言えます。

にもかかわらず、各種調査で指摘されるのは、若者の恋愛離れを示すデータ。恋人のいる若者の数が少なくなっていたり、初体験の年齢も上がってきているようです。晩婚・非婚傾向もあいかわらず強い。これ、なぜなんでしょう?

D子(青山学院大) 逆にSNSの影響があると思います。インスタグラムには、芸能人とまではいかないけど、普通の人よりはずっと整った顔のインスタグラマーがたくさんいるじゃないですか。そういう人ばかり見てると、一般人でもこんなカッコいい人がいるかもしれない、それこそマッチングアプリとかを使えば出会えるかもしれない……って期待してしまう。

原田 身分不相応な理想を追及しすぎるようになったから恋愛ができないってこと? 今の若者はもっと現実的かと思っていたけど、特にインスタなんかの影響もあって目が肥えすぎてしまっているんだね。スーパーイケメンはいなくても、ちょっとカッコいいインフルエンサーくらいは見つかるんじゃないか、って思ってしまうわけだ。

A太(慶応大)僕の知り合いに、すごい美人のヘアモデルの子がいるんですけど、彼女は「人間関係総体で満たされればいいから、特定の彼氏はいらない」って言っています。

原田 どういうこと?

A太 一緒に美術館に行く男、一緒にご飯を食べる男、悩み相談する男……と、目的別に違う相手が彼女にはいるんです。

原田 なるほど、SNSで多層的なネットワークが構築されてるから、美人だったり能力があったりする人は、機能別目的別の付き合いができるんだ。いわば「断片彼氏」(笑)がたくさんいる女子が出てきたと。

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A太 かくいう僕も、その彼女に誘われてこの前一緒に美術館に行っちゃったんですけどね。美人だし、こっちも悪い気はしないので、ついつい誘いに乗っちゃう(笑)。

原田 彼女の接し方は友達っぽいの? 彼女っぽいの?

A太 微妙なラインを突いてくるんですよ。基本友達っぽいんですけど、ときどき彼女っぽさを出してくる。急に悩みを打ち明けてきて、数日後に「進展あったから会って話すよ」と言ったりとか。男でもそういうタイプはいる気がします。そういう人たちを見ていると、確かに自分のニーズに応じて相手をうまいこと使い分けることができるのであれば、わざわざ特定の一人に固執しなくてもいい気もします。

原田 若者の中でも対人関係上手な人は、「断片恋人」を作ってそれで満たされるようになっているんだね。これはきっと、様々な統計上は「恋愛」にカウントされていないんだろうね。確かに一人と深くどっぷりと接するって、実は面倒臭くて重い行為ではあるもんね。