一代で巨万の富を築いた…いま「理系の大金持ち」がスゴすぎる

スクエニ、ユーグレナなどトップが語る
週刊現代 プロフィール

それよりも今は来年に予定しているミドリムシから作ったバイオ燃料で飛行機を飛ばす計画が成功するか、毎日不安です。

昨年11月に横浜市にバイオジェット燃料を作る実証プラントが完成して、ようやく皆さんに現実味をもって受け止めてもらえるようになりました。東京五輪はせっかくの好機ですから、その前後でジェット機を飛ばせればと考えています」

 

そして、出雲氏は理系人材が今後ますます重要になると続ける。

「ベンチャー企業の社長ほど理系が向いているのではないでしょうか。これからのビジネスは、お客さんが何を求めているのか、他よりも先に発見しなければなりません。

そのためには、まずはやってみることが重要です。その意味では農学部や工学部出身の人は、様々な実験をして、成功するまで諦めないという訓練ができています。

ベンチャーに限らず、変革期にある企業でも同じような人材が必要とされているのではないでしょうか」

ロマンとそろばん

事実、日本では理系人材の不足が問題になり、企業間での取り合いが始まっている。国内の理系人材が少ないことを危惧するのは、テラスカイ社長の佐藤秀哉氏(56歳)。同社は企業向けクラウドシステムの導入を行う。

「日本は米国に比べて理系の学生が極端に少ないんです。日本では文系の大学を出て、官公庁で役人になるか、商社や金融機関などに就職するのが『鉄板』の人生設計になっています。

一方、米国ではIT企業に入るのが一番いいキャリアパス。人気企業はマイクロソフトやグーグル、フェイスブックなど。そこに入るためには理系でなければいけないので、みんな理系を目指します。

昨年、生まれ故郷の新潟県上越市で、小中学校の校長先生70人超が集まる場で講演を頼まれました。

その中で算数、数学など、理系出身の先生の数を聞いてみたら、2割程度しかいません。そうすると、子供たちを理系に誘導する機会も少ないのかなと思いました。

もう一つ、スマホを使っているかを校長先生に聞くと、それも3割しかいません。ITというのは、自分で体験してみないことには、次にどうやって使ってみようかという発想が生まれません。

校長先生がそういう状況ですから、テクノロジーに関して、生徒たちに何か新しいことを教えることはできませんよね。

政府は今後、ITエンジニアが30万人足りなくなると言っています。つまり、これからは理系に進めば食いっぱぐれない、ということ。学校も積極的に理系に進むことを奨励したほうがいいと感じています」

テラスカイは'15年にマザーズに上場し、昨年東証1部に市場を変更した。佐藤氏が保有する株の時価総額は33億円。

「かといって株を売ることもできませんしね。普通のサラリーマンに毛が生えた程度の生活をしています。上場で変わったことは、忙しくなったことくらい。普通に家で食事をしますし、昼は社員と一緒に食堂で500円ランチを食べています。

母親が商売をやっていたので、子供の頃から『社長になりたい』と思っていましたが、『金持ちになりたい』と思ったことはありません。

個人的な印象ですが、文系の社長のほうがおカネを稼ごうという意識が強いかもしれません。理系の社長は、『社会に何らかの変革をもたらしたい』と考えている人が多いように感じます。もちろん、程度の問題ですし、私も経営者ですから、理系といっても稼がなければいけません。

ただ、経営には『ロマンとそろばん』が必要だとされますが、理系のトップはロマンのほうが強いかなと感じます」

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