一代で巨万の富を築いた…いま「理系の大金持ち」がスゴすぎる

スクエニ、ユーグレナなどトップが語る
週刊現代 プロフィール

起業と倒産を繰り返して

今回紹介するのは、そんな理系出身の大金持ちたちの素顔である。

社員の平均年収2088万円――。日本屈指の高給を誇るセンサー機器大手のキーエンスを率いる滝崎武光氏(73歳)も異形の経営者だ。

中小企業診断士の立石茂生氏はかつてキーエンスの営業マンとして活躍した。そのときに見た滝崎氏の素顔をこう話す。

「滝崎さんの最終学歴は尼崎工業高校卒で、理系です。ちなみに、ダウンタウンの松本人志さんも同じ学校です。

私が'87年に入社したとき、滝崎さんは42歳。すでに頭髪は真っ白でした。20代後半までに2度の起業と倒産をしていると聞かされ、『なるほど、苦労されているのだな』と妙に納得したことを覚えています。

経営については、すべて『理詰め』で行う人物でした。今でこそキーエンスはファブレス経営(商品の企画・開発のみを行い、生産は外注する)でセンサーを作る企業として有名です。

しかし、滝崎さんはセンサーにこだわっているというより、付加価値の高い商品を追求しているだけ。結果的にセンサーなどの電子機器が主力になったけど、それ以外の商品でもよかったはずです」

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立石氏は、キーエンス時代に滝崎氏がこんな話をしたことが印象に残っているという。

「私が学生だった頃、山に遊びに行くことがありました。すると同じ商品でも、頂上付近だと、街中よりも明らかに高い値段で売られています。では、高いから売れないかというと、相当数売れるわけです。

つまり、地上から山頂まで輸送したということに、お客様は付加価値を認めて購入されるわけです」

徹底して利益を追求する姿勢は、理系ならではと言える。滅多にメディアに登場しない滝崎氏だが、『日経ビジネス』の取材にこう語っている。

「工業高校に入り、生徒会やら自治会の会長になり、尼崎市で女学校を入れて5つの学校で連合会を作りました。女学校に遊びに行きたいだけだったのかもしれません(笑)。

そのうち学生運動が盛んになり、京都大学の学生とかに勉強会に呼ばれたりしました。

ああいうことやるのは文系の人ばかり。文系は論理的じゃないですよね。思想の問題は、最終的には好き嫌いになる。私は(数字で勝負できる)事業をやる方がいいかなと」('03年10月27日号)

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