三大都市圏の中で人口が最速減少するのは、大阪圏です

大阪市の人口拡大を支えるのは、外国人
週刊現代 プロフィール

二度と子どもが産まれない村の出現

「現在、村の中学校に通う女子生徒数は合計7人。1年生が2名で、2年生はゼロ、3年生が5人です。村内には高校はありませんので、彼女たちは近隣の高校に進学することになります」

人口約2000人。群馬県の南牧村は、村民の3人に2人が高齢者で、「高齢化率日本一」を自認し、村への移住を誘致している。子供の数は少なく、同村の中学校の職員が話すように、女子生徒の数がゼロという年もある。

月額1700円でインターネットが使い放題になるなど、村独自のサービスを提供しているが、移住者は増えない。このまま人口が推移すると、'45年には「25~39歳の出産期の女性の数」が、たったの5人にまで減るという、「消滅危機」に直面している村なのだ。

 

南牧村のように消滅危機を迎える自治体は少なくない。河合氏によると、'45年には「出産期の女性がたったの1人になる」村が出現するという。

「自治体単位で将来の人口推移を見ていくと、衝撃的なことが分かりました。このまま人口減少が進んでいけば、山梨県の丹波山村など、全国17の町村で、'45年には出産期の女性の数が1ケタになってしまうのです」

河合氏の試算によると、'45年、出産期の女性が20人以下となる市町村は46町村、50人以下となる自治体は140町村にのぼる。なんと、奈良県上北山村では、出産期の女性の数が1人になるという。

同世代の同性がまったくいない村に留まり続ける女性は稀有だろう。彼女たちは、早々にほかの自治体へと移住するはずだ。つまり、二度と子供が産まれない村が現れるのだ。

ここまでではないにせよ、今後日本で出産期の女性の数は激減する。

「いま、日本の20~34歳の女性の数は約980万人。それが'40年には約760万人と、200万人以上減る。こうなると、出生数も激減し、日本の人口減少は加速度的に進んでいくことになるのです」(前出・加藤教授)

南牧村や上北山村が直面している危機は他人事ではない――そう捉えなければ、日本の人口減少を食い止めることはできない。

『未来の地図帳』に描かれた日本の姿は、あまりに暗い。しかし、河合氏は「暗い未来を回避する方法はある。最善の方法を導き出すためにも、まずは厳しい現実を直視しなければならない」と指摘する。

「人口減少を食い止めようと、幾多の施策が講じられましたが、結局ほとんど効果がなかった。それは、現実に即した対策ではなかったからです。

全国の自治体でどれだけ人口が減るのか、また地域ごとにどのような変化が訪れるのかを知り、それぞれの地域事情に即した対策を講じていけば、人口減少自体は止められなくとも、暗い未来は避けられるはずです」

地図は旅のリスクを軽減するために開くもの。『未来の地図帳』を開き、これからこの国に何が起こるかを直視することから、はじめるほかない。

「週刊現代」2019年6月22・29日合併号より