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三大都市圏の中で人口が最速減少するのは、大阪圏です

大阪市の人口拡大を支えるのは、外国人
先週刊行された河合雅司著『未来の地図帳』は、発売1週間経たずして重版が決まり、累計8万部を突破した。作家でジャーナリストの河合氏は、「三大都市圏で人口が最速減少するのは、大阪圏」、「2045年には出産期の女性がたった1人の村が出現する」という。日本各地に待ち受ける未来とは?

大阪が外国人だらけになる

大阪市西成区でいま、とある巨大事業がはじまろうとしている。同区周辺で不動産業などを営む中国人経営者ら約40名が中心となって、「大阪中華街」を造ろうとしているのだ。

現在、西成にある商店街の約300店舗のうち、中国人が経営する居酒屋などの数は100を超えている。

中国語が日常的に飛び交うようになったこの町で、'25年までに約120店舗の雑貨店などを開業し、横浜、神戸、長崎に次ぐ日本で4つ目の中華街を造る計画が進んでいるのである。それにともない、中国から働き手を多く呼び寄せる予定だという。

地域経済の活性化につながる反面、「外国人居住者とのトラブルが増えるのではないか」と懸念する声は根強い。しかし、好むと好まざるとにかかわらず、今後大阪では外国人居住者が驚くほどのスピードで増え続ける。

道頓堀もやがて外国人ばかりに(Photo by iStock)

国立社会保障・人口問題研究所の資料によれば、人口約880万人を擁する日本第二の都市・大阪府は、三大都市圏で最も速いスピードで人口減少を迎え、30年後には約160万人減少、720万人になる見込みだ。

また、高齢者人口も今後30年間で約40%増え、東京に次ぐスピードで高齢化が進むという。

一方、大阪市に限定すれば、現状は人口拡大が続いている。しかし、大阪市の人口拡大には、同じく人口が増えている東京23区や福岡市とは違う実情がある。

「大阪市への移住者について分析すると、大阪市の人口拡大を支えているのは外国人であることがわかるのです」(河合氏)

総務省が'18年に発表した「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」を確認すると、'17年から'18年までの1年間で、大阪市に流入してきた人と流出した人の差は、1万8353人のプラス。

うち日本人は1万1961人、外国人が6393人、と大阪市への流入者の3人に1人は外国人となっている。つまり大阪市の人口拡大を下支えしているのは外国人なのだ。

現在、大阪市に住む外国人の数は13万人を超えている。東京23区を除けば、区市町村内に住む外国人の数は全国1位(2位は横浜の10万人)。

また、大阪市が発表している「大阪市各区における外国人住民の比率および増加率」によると、'18年12月現在、生野区では住民全体の22%が、浪速区では13%が外国人で占められているという。

みずほ総合研究所政策調査部主任研究員の岡田豊氏によると、大阪における外国人定住者の比率は、今後も高まり続ける可能性が高いという。

「'40年には、大阪圏の外国人人口が150万人以上になり、近年人口が減少している神戸市や京都市の規模を上回ることもあり得ると思います。そうすると、大阪圏に『巨大外国人マーケット』が生まれます。特に、ミナミは関空利用の外国人観光客にとってアクセスが抜群。

'15年に『中座くいだおれビル』が香港系資本に買われたことがありますが、ミナミは中国人を中心としたアジア系外国人が席巻し、日本人客、さらには日本人従業員すら不要な街となってもおかしくないでしょう」

 

'40年に150万人、ということは、人口720万人の未来の大阪では、5人に1人が外国人になる、ということだ。

政策研究大学院大学の松谷明彦名誉教授も、大阪の未来について、こう予測する。

「いま、大阪の中心部には低所得の単純労働者が増えています。急増している外国人居住者も、その多くは単純労働者です。一方、中・高所得者の中には、よりよい環境を求めて市外に出ていく人が増えている。

今後もさらに単純労働者が増え、中・高所得者が減ると、人と環境ががらりとかわり、大阪がこれまで培ってきた伝統的なコミュニティが消えるおそれがあります」

日本人のコミュニティに代わり、外国人のコミュニティが増えていけば、大阪の街が外国人だらけになる日が来るかもしれない。