失業保険をもらいたい人が陥る、離職理由「自己都合」の落とし穴

意外と知らない、手続きの具体的方法
鷲尾 香一 プロフィール

「仕事」をしたら申告が必要

もうひとつの必要書類「失業認定申告書」について。これにはカレンダーが記載されており、「失業保険の受給期間内にどのような就職活動を行ったか」、「どんな仕事を行ったか」、さらにその期間と収入額などを申告するようになっている。

「就職活動」は、ハローワークでの相談・紹介はもちろん、その他の公的機関の職業相談・紹介でもよい。また、民間の職業紹介所やインターネットの求人サイトを利用するのでも構わない。

ただし、求人情報をただ閲覧しただけでは、「就職活動の実績」とは認められない。実際に求人へ応募するなどの行動が必要だ。

 

ちなみに筆者の場合、ハローワークで就職希望先を「マスコミもしくはメディア」と設定して求人情報を検索してもらったのだが、求人企業はゼロだった。ハローワークの職員には「おそらくハローワークではご紹介できないので、ご自分のネットワークなどを使って探すか、フリーで仕事をされればいかがですか」と言われた。仮にも職業紹介所なのだから、そんなに突き放さなくても……。

さて、失業保険の受給期間中に仕事をした場合には、失業認定申告書で申告しなければならないと先ほど述べた。「仕事」とは具体的に何だろうか?

実は、労働時間が4時間を超えると「仕事」、4時間未満では「手伝い」という区分になっており、収入の有無にかかわらず申告しなければならない。もし収入がありながら申告をしなかった場合には、違反行為となり、失業保険の返還請求などを受けるはめになる。

では、正直に申告すると何が起きるのか。簡単な話で、失業保険の支給額が減額されるのだ。

減額幅は、個人の基本手当日額によってそれぞれだが、日額の約3倍の収入があった日は、失業保険の支給対象日から除外されると考えればいいだろう。ただし、支給対象日から除外された日については、失業保険の受給対象期間が延長される。つまり、例えば受給対象期間が150日だった場合、3日間の支払除外日があれば、受給対象期間は153日となる。

この点について、筆者が「労働意欲を持って、生活水準を少しでも上げようと思い、例えば日雇いで働いて収入を得たとき、その分の失業保険が支払われないというのは、労働意欲を削ぐんじゃないでしょうか。失業者は働かずに、日がな一日、就職活動をしていろということなんでしょうか」と思わず質問したら、ハローワーク職員は、「それだけの収入がある仕事が見つかるのであれば、失業保険を受給しないで毎日働いたらいかがですか」と開き直った。

筆者は、こうして今も失業保険を受給している。職業柄なのか、性格的なものなのか、何か疑問が浮かぶたびにハローワークに通い、質問をし続けてきた。筆者一人が詳しくなるだけではつまらないので、今回記事として共有したいと考えた次第だ。

ぜひ、読者の中に失業保険の受給を考えている方がいれば、どんどんハローワークで質問したほうがいい。その質問に答えるのが、ハローワーク職員の仕事でもあるのだから。

(次回「職業訓練編」につづく)

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