路上を埋め尽くすデモする人々〔photo〕gettyimages

中国・習近平が「香港デモ騒動」のウラで、トランプに完全敗北する日

最大の誤算だった

習近平に「最大の誤算」

香港の200万人を集めたデモは、中国本土への刑事事件容疑者の引き渡しを可能とする「逃亡犯条例」の改正案を事実上の廃案に追い込む情勢だ。

香港政府トップの林鄭月娥行政長官の辞任をめぐって事態は混迷を極めているが、実はこの騒動が昨年来から続く米中貿易戦争の行方をも左右しかねないということはあまり指摘されていない。

結論を先取りすれば、G20サミットを前に中国・習近平国家主席には最大の誤算となり得る一方、最大級のディール・カードを手に入れたのは米・トランプ大統領ということになる。

〔photo〕gettyimages

今回の香港デモはすでに香港だけの問題にとどまらず、中国本土をも大きく揺るがす最大級の政治的懸案事項となっている。実際、香港デモのニュースは、中国本土ではすでにタブーと化している。中国で少しでも流れようものなら、その画面はブラックアウトしてしまうというのだ。

一国二制度の中国にとって、香港の民主主義が強まれば強まるほど、「特別扱い」に対する本土の人民の不満を招きかねない。それだけに香港の混迷が長引くほど、中国は騒乱の火種を本土に抱え込むことになる。習近平国家主席にとって、国内の不満を緩和するために何らかの措置が必要となってきているのである。

そこでポイントとなってくるのが、米中貿易交渉の早期妥結だ。

 

現在、米中双方の関税引き上げの応酬で、中国経済は低迷している。それゆえ交渉を早期妥結をすることで、習近平国家主席が国内の不満を和らげようとするシナリオが浮上してくる。

実際、中南海の長老からも米中貿易摩擦による国内情勢への影響、特に「失業増→社会不安」への影響を懸念する意見は根強くある。