「4世代家族」と「5つ子」から見えた、若い母親が直面する現実

多様な婚姻関係は日本の未来を導くか
井戸 まさえ プロフィール

若年出産した母親支援

調査をすることの目的は、虐待防止だけではない。

17歳、18歳で出産した若い母親たちへのその後の長い人生への支援が必要だと思うからだ。

前述通り、若年出産は世代を跨いで連続して場合が多く、親世代とは違う生き方の選択肢を取りづらいということもあろう。人生100年時代を考えれば、これから学んだり働いたり、個性を生かした様々な人生の選択肢があるはずだ。

進学や資格試験の支援等、育児期間に学びの機会を提供することは個人の人生にも実は社会の基盤を強固にしていくためにも、最も大切なことなのではないかとも思う。

キラキラネームに使う漢字が今まで日常生活で使うことがなかったような字であったりすいるのを見ると、彼女たちの調査能力や学習能力は高い。

ちなみに、『キラキラネームの大研究』(伊東ひろみ著・新潮新書)によれば、「キラキラネーム」はここ最近の傾向のように言われるが、
実は、戦国武将こそがキラキラネーム。しかも「by myself」でつけ放題。

江戸末期や明治初期には通称と実名を使い分けてその「キラキラ」ぶり、また「当て字」っぷりも最高潮に達する。つまり「キラキラネーム」は時代のエネルギーと相関があるとも言える(その後、戸籍法制定で下火になる)。

「女性活躍推進」というならば、この潜在力、可能性を引き出すことができていないという現実も、政策立案者、実行者としての国や自治体は自覚するべきなのだ。

 

子育てに必要な「マネジメント能力」

実は子育てほど「マネジメント能力」が問われることはない。

逆に言えば、「仕事」をすることで経験上その「頃合い」を知ることができる「タイムマネジメント」「優先順位づけ」「段取り力」「調整力」「どこまでで『良し』とするべきか」等々は、即子育てに生きるスキルでもある。

何よりある一定期間仕事をしていると「想定外」のことにぶち当たる。それが自分の行動に起因しない「理不尽」な事態だとしても、なんとか対応せねばならない。

「乗り切った」もしくは「乗り切らなくても大丈夫だった」という経験が、自分よりわがままで、思い通りに動いてはくれない子どもを育てる上で、大事な経験だったりする。

しかし、若年で出産した場合は圧倒的にそうした経験を積む物理的時間が少ない。
子どもは時に自分を懲らしめるためにこんな行動をしているのではないかとさえ思える。孤立している場合は、余計に、だ。

若年出産した母親への進学を含めた教育、また雇用支援を行うことは単に彼らの経済的環境を向上させるだけでなく、子育て環境もよくすることにつながるのである。

ただ、現状は専門知識や技能、職業経験のない若年層はダブルワークや、ダブル保育等の環境に置かれやすい。だからこそ、公的支援が必要なのだ。