「4世代家族」と「5つ子」から見えた、若い母親が直面する現実

多様な婚姻関係は日本の未来を導くか
井戸 まさえ プロフィール

多子家族調査を行うべき

先般、NHKオンデマンドで「山下さんちの5つ子」の成長記録を観た。

きょうだいでの成長の共通点や相違点等、多胎児の今後の子育てや成長等医学的な見地からも貴重な記録だと思った。

多胎児に関する研究は、「山下さんちの5つ子」に限らず、今現在でも同様に行われている。国立大学の付属小学校、中学校等ではふたご他多胎児の成長に関する知見のため入学者のうち一定数を双生児枠としている。

例えば東京大学教育学部附属の募集人数120名のうち、一般選抜試験では、約10組20名前後は双生児を取っている。各クラス(40人定員)に7人前後のふたご(もしくは三つ子)の生徒がいる。

こうした研究は人の成長段階や、また教師の指導力の育成に有益なものとされている。もちろんそれは大事なことである。

 

一方で、今、現実の危機としてある児童虐待についても、厚生労働省や内閣府はリスクが高い要因を持つ、たとえば若年出産した女性たちやその家族に育つ子どもたちに対する研究を、このように時間をかけて、また学校現場等での長期間の行為観察として行ってきているのであろうか。

もちろん、それがスティグマになってはならないが、たとえば多子家族、「4世代家族」他に対しても何らかの長期間にわたる調査を行うことが必要なのではないかと思う。

本気で虐待対策を考えるのあれば、専門家を入れた調査が必要である。

その際には、たとえば、実父(別居親)が払うべき養育費がどうなっているのか、児童手当、児童扶養手当、生活保護との関連等、収入や福祉の受給状況等も含めて検証してみるべきである。その状況と子どもたちの学習意欲や成績に相関があるのか否か、親の子育て意欲等とどうつながっているのか。

加えて、調査の中で研究者や公務員の人々は質問に対する定型以外の打ち返しの言葉の意味を知り、母子ともに虐待リスクに対応できる支援策を構築して行かなければならない。

もちろん、今までもそれなりの調査はしてきているのだろうが、効果的な対策を打ち出せていないということは、照射範囲が極めて狭い、もしくは間違っていた可能性もあると言うことなのだ。