「4世代家族」と「5つ子」から見えた、若い母親が直面する現実

多様な婚姻関係は日本の未来を導くか
井戸 まさえ プロフィール

視聴者の「説教マインド」を駆り立てる

家族で「4世代リレー」が成立するのは、母親たちがどの世代も基本的には若年で出産しているからこそだ。

リレー参加家族の出産年齢は17歳、18歳が主流であり、未婚で出産、もしくは結婚するも出産後早期に離婚に至ったケースが多く、世代を問わずシングルマザーとして奮闘する姿もテレビでは映し出される。

 

現在20代〜30代の母世代は、子どもたちにいわゆる「キラキラネーム」をつけていることも共通点。また、テレビ出演にあたってはメイク等、母親自身の身なりにもそれ相当の時間がかかっている。

母親イメージは薄く、視聴者には「こんな状態で子育てして、大丈夫か」等、実際の彼らの生活ぶりを見てはいないのにもかかわらず「根拠のない不安」を持たせ、ついつい説教の一つもたれたくなるような「上から目線」に立たせる効果を出す。

〔PHOTO〕iStock

なるほど、大家族モノや若年親子モノが根強い人気を保っているのは、おそらく誰しもの中にある「説教マインド」を刺激し、呼び起こすからだ。

彼らを「常識がない」とすることで自分は「常識があるのだ」と確認し、どこかでホッとできる瞬間をもたらしているのかもしれない。

「4世代リレー」もその文脈で企画されたのだろうか。

ネットでの批判を見ると、たとえば隣近所で同様タイプの母親たちを見かけても注意できないが、テレビ番組の画面に対しては、言い返される心配もないので本音を言える場として人気があるのかもしれないと思わされる。