日本の競争力「過去最低」世界30位の衝撃、衰退の根本原因を示そう

このままではジリ貧だ
戸堂 康之 プロフィール

それにはやはり海外留学が最も効果的である。ある程度長期に海外で生活することで、世界には様々な人や考え方があることを実感できるからだ。とは言え、海外の大学の学費が高騰していることもあり、なかなか自費で留学することは難しい。だから、海外留学に対する政府、企業のサポートの拡充が必要だ。

サポートが得られず、高額の学費のために海外の大学に留学するのが難しければ、日本の大学に入っておいて、提携する海外の大学に1年なり2年なり留学するという手もある。そうすれば、比較的安い日本の大学の学費で海外の大学に通えるからだ(むろん生活費はかかってしまうが)。こういった留学のあり方をもっと普及させるのも大学の責務だ。

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留学を通した交流の効果は馬鹿にできない。手前みそながら、筆者が勤務する早稲田大学は中国では非常に知名度が高い。これは、戦前に多くの中国人が早稲田に留学しているからだ。その中には、中国共産党創設メンバーの李大釗や初代総書記の陳独秀のような大物も多い。戦前に官費で留学生を招聘したことが、いまだに日中友好の一助となっているのだ。

日本に来る外国人留学生や観光客と日本人の交流は、日本人の外国人に対する認識も変えてくれる。だから、これをうまく活用することも大切だ。例えば、外国人留学生・観光客と地元の学校の生徒・学生たちとの交流を正規の科目に組み込めばどうだろう。

その経験は若者の目を開かせ、地域経済の発展に大きな効果が期待できるだろう。2002年のサッカーワールドカップ日韓大会でカメルーン代表のキャンプ地となった大分県旧中津江村では、カメルーンとの交流が大会後も長く続き、昨年は両国企業の事業連携にまで発展している(2018年9月24日付産経新聞)。

おりしも、この9月にはラグビーワールドカップが日本で開かれる。来年には、東京オリンピック・パラリンピックがある。開催地域ばかりではなく、各国チームのキャンプ地では、ぜひ選手や外国人観光客と地元の人々、特に子どもたちや若者との交流を、自治体や学校、NGOの方々には大いに盛り上げてもらいたい。

最近では世界的に保護主義的な動きが広がっていて、内向きが問題なのは必ずしも日本に限らない。今やアメリカも日本並みにグローバル化に否定的だ(図2)。だから、日本だけではなく、世界各国が国際交流を盛り立てて、お互いに理解しあい、学びあうことが絶対に必要だ。分断された世界は政治的に不安定なだけではない。経済的にも、知識の多様性が失われてイノベーションが停滞することで、どの国の利益にもならないことを理解しなければならない。