日本の競争力「過去最低」世界30位の衝撃、衰退の根本原因を示そう

このままではジリ貧だ
戸堂 康之 プロフィール

このような内向きのネットワークでは経済は成長しない。外国企業とつながることで、広く海外から多様な知識を取り込んでこそ、インパクトのあるイノベーションを起こすことができるからだ。特に近年では、海外との知的ネットワークがイノベーションに与える効果は大きい。筆者と新潟大学の飯野隆史氏らの推計では、1990年代には企業が生み出す特許の質は国際共同研究をすることで17%向上したが、2000年代にはそれが45%へと急増している。

経済成長に寄与するネットワークは、共同研究によるものだけではない。貿易によっても、対内・対外投資によっても、国内の企業は海外の新しい知識を学ぶ機会を得て成長できる。しかし、輸出額や対内投資額の対GDP比でみても、日本はOECD諸国の中で最下位近くでずっと低迷している。

 

閉鎖的な日本人

日本経済が内向きなのは、日本人の意識が国際性に欠け、閉鎖的であるからだ。冒頭に挙げたIMDのランキングは経営者をはじめとするビジネスパーソンに対する質問調査も基になっている。その質問の中に、企業や社会の国際性に関してたずねたものがある。それらを点数化したものを、シンガポール(総合ランキングで1位)、アメリカ(同3位)、中国(同14位)、ドイツ(同17位)、マレーシア(同22位)と日本(同30位)とでくらべてみたのが図2だ。

図2 ビジネスパーソンから見た各国の国際性・柔軟性〔出所〕IMD世界競争力ランキング2019
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これによると、日本は3つのうち2つの項目、「幹部の国際経験」と「外国の考え方に対する社会の開放性」で断トツで最下位である。残り1つの項目、「グローバル化に対して社会が肯定的か」についても、アメリカとほぼ同じで最下位を分けあっている。ビジネスパーソンから見ると、日本社会は極めて閉鎖的に映っているのだ。

日本人の外国に対する閉鎖性、グローバル化に対する怖れは、様々な調査やデータでも裏づけられる。米ピュー研究センターの調査では、国際貿易が国内の雇用に及ぼす影響について聞いた質問に対して、「(国際貿易が雇用を)増やす」と答えた日本人はわずか21%で、アメリカの36%、ヨーロッパ諸国の40%、オーストラリアの37%にくらべて、極めて低い。

最近内閣府が発表した若者に対する意識調査の結果では、留学希望者や外国に住みたい人の割合は、日米欧韓7か国の中でいずれも最低だった(2019年6月2日付日本経済新聞)。