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新規上場のSlack(スラック)、「広告なし」で急成長できたワケ

クラウドのトレンドに乗れるか
広瀬 隆雄, マネクリ

劇的に生産性を改善したSlack

スラック・テクノロジーズは仕事で共同作業を進める人たちのためにウェブ上にチャットの場を提供しています。単にテキストのチャットだけでなく、スプレッドシートやワードファイルやビデオも簡単にシェアすることができるので同時に沢山のメンバーが共同作業を進めていくことができます。

今まではスプレッドシートをメールに添付し、それをやりとりするような事が一般的でした。しかし、これだと手間がかかるし、全員がアップデートされた最新のものを共有できず、いろいろ古いバージョンが残ってしまうという問題がありました。また重いファイルの場合、メールに添付しても相手に届かないというリスクもありました。

スラックではまずプロジェクトごとに主宰者がメンバーを招待し、そのメンバーは入場を許されるとそのスラック上でシェアされているドキュメントを閲覧できるだけでなく、自分も作業に貢献し、情報を追加してゆくことができます。さらにチャット機能を通じて仕事の打ち合わせなどもできるわけです。

 

つまりスラックはクラウド上の「共同作業室」のような場を提供しているわけです。

スラックは生産性ツールとしては電子メール以来の大きな発明だと言えます。

フリーミアム・モデルで成長してきたSlack

スラックは主にビジネスのユーザーに愛用されています。具体的には公認会計士、エンジニア、弁護士、ジャーナリスト、歯科医、研究者、営業マンなどが同社のサービスを活用しています。

スラックを導入すると、チームメンバー間のコミュニケーションの速度が速くなります。特に作業の進捗を周知徹底させる手間が大幅に省けます。それはチーム全体の生産性の向上に寄与します。また作業した後のデータが共有されやすい形でどんどん蓄積されてゆくため、データのアーカイブの利用価値が高まります。

スラック・テクノロジーズはまず無料でスラックを使ってもらい、その良さを実感してもらう、いわゆるフリーミアム・モデルを採用しています。一定の使用量を超えた場合、課金プランへの移行を促します。それはユーザーがセルフサービスでスラックを使い始め、次第にその仕組みに慣れることを意味し、スラックの社員が営業をかけることはしません。

スラックは主に口コミで広がっており、認知を広げるための広告キャンペーンは打っていません。大企業などで大きなスケールでスラックを採用したいというニーズがある場合のみ、スラックの担当者が個別に指導します。

課金ユーザーは毎月、ないしは毎年更新される購読プランを購入します。ユーザーの座席数により課金してゆく方式を取っています。

2017年、2018年、2019年の売上高はそれぞれ1.05億ドル、2.21億ドル、4.0億ドルでした。下は同社の過去3年の一株当たりの業績です。

出所:売出目論見書
【略号の説明】
DPS 一株当たり配当
EPS 一株当たり利益
CFPS 一株当たり営業キャッシュフロー
SPS 一株当たり売上高

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