フリー編集者・伊藤学さんが寄稿した「オードリー春日『DNA残したい会見』が突き刺さる女性たちの本音」は話題を呼んだ。春日さんが悪いということを伝えたのではなく、「女は産むもの前提への疑問」や「産まない・産めないかもしれないことを無視しがちな時代へのモヤモヤ」を率直に伝えた言葉に説得力があったのだ。そんな伊藤さん、いま大河ドラマ『いだてん』にはまっている。クドカンってなんで女性のことこんなに分かってるの? と伊藤さんが言う理由とは――。

「車を買いにいったら夫だけに名刺」
ツイートが話題に

車が欲しくて、夫と車店に行ったところ、対応してくれた販売員が夫ばかりに話しかけ、名刺も渡してもらえず……。「車を買うのは私なのに!」という元鈴木さん(@Motosuzukisan)のTweetが話題になった。

私も同じような経験がある。デカい車好きで、某国産車のディーラーに、四駆に試乗したいとお願いし、ひとりでディーラーを訪ねた。カウンターで名前を言うと係の男性は「お連れ様は後からいらっしゃいますか?」と笑顔で私に聞くのだ。

車好きな女性だって少なくない。それでも「お連れ様が後から来る前提」ばかりなのは萎える(この写真は本文とは直接関係ありません) Photo by iStock

お連れ様? あぁ……、

現在独身なので、夫はいませんが。私が乗るために購入を考えていますが!?(何か?←これは心の中だけで呟く)」

ひどく目くじらを立てたりはしないが、車や不動産など、ちょっとデカい買い物を考えたときやPCや配線が面倒な家電などを購入するときにも、こういった「ご主人様・お連れ様問いかけ」対応に出会うことは思った以上によくあり、度重なるとやはりちょっと気分は萎える。

車を買うときの主導権は男性、燃費などメカニックな話は女性はきっとチンプンカンプン、経済主導権も男性という認識がまだまだあるのかな、と思うとちょっと悲しい。でも実態は平成30年度の運転免許保有者の男女比(警察庁交通局運転免許課:運転免許総計)は、男性が54.7% 、女性が45.3%。若干男性が多い程度の差しかない。私は車を運転するのも好きだし、メカニックな話を聞きたいと思っている。スペアタイヤの交換だって、スノーチェーンだって付けられるのに、と(決して自慢しているわけではありません)言いたくなってしまうのだ。

このSNSコメントを見ながら、NHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』の第23回「大地」(6月16日放映)で冒頭10分で涙腺が崩壊したことを思い出した。100年前の女性たちの悩みに共感して心が揺さぶられたのだ。そして、ツイッターを観て、明確にわかった。ああそうだ、私があれだけ心揺さぶされた理由は、クドカンが描いた女性たちの悩みが、今に思い切りつながっているからだったのだと。