山本太郎「消費税廃止が、野党とこの国に残された唯一の活路である」

その現実味を語った
時任 兼作 プロフィール

野党の中の空気感

消費増税の是非、さらに消費税そのもののメリットとデメリットについては、経済学者の間でも百家争鳴である。筆者は山本の主張がどれだけ的を射ているかをあえて判断するつもりはないが、いずれにしても、こうした大胆な政策提言が、山本が身を置く野党のあいだでも物議をかもしていることは確かなようだ。

自由党を飛び出した背景にも、この消費税をめぐる政策論争、ひいてはこの参院選をいかに戦うかに関する野党間のお家事情があった、と山本は言う。

 

「小沢(一郎)さんがずっとおっしゃっていたのが、『野党が固まらなきゃ勝てない』と。それは私も異存がなくて、選択肢が多くなればなるほど票は分散してしまう。それで結局、一つ一つの党が考えていることを掘り下げる暇もなく、より露出が多い党に票が流れてしまう。そうなったら与党が勝つのは当たり前ですよね。だから極力選択肢を少なくして、AかBかの戦いにするのが一番だと。

それはわかるんですが、しかし野党の合流に関していうと、『独自でやります』というグループもある。特に今は、野党第一党である立憲民主党がその『独自グループ』になっていますから、それ以外の例えば自由党や国民民主党が固まったところで、これはなかなか厳しいだろうと。

私はただ野党が集まるだけでは弱いと思うし、そこに政策、特に多くの国民が今直面している問題を掬いあげるような政策が必要だと思う。その軸になりうるのが消費税なんですね。勝ちに行くのなら、誰もが当事者として意識できることを旗として掲げなきゃまずいということで、私は飛び出すことに決めたんです。

小沢さんには『誰にも理解されない可能性が高いぞ』『野党がこれから一緒になろうという中で、別グループを立ち上げるということは、君の政治生命をかける戦いになるな』と助言いただきました」

野党の共通政策として消費税廃止を目指す。まずは5%に減税する――。4月の立ち上げ会見で、「これを野党共通政策にできるなら、自分の旗はいつ下ろしてもいい」と述べた山本。しかし、その言葉に追随する野党勢力の動きは、今のところ鈍いと言わざるを得ない。

「私は今、無所属で国民民主党の会派に入れてもらっている状態ですけど、先輩方とお話をすると、びっくりするぐらい真面目というか。いい意味でも悪い意味でも……政権を取ったら言うことが180度変わる、というような狡猾な人たちじゃないんですよ。やはり民主党政権時代に、自分たちが消費税を上げた責任があると感じていらっしゃる方が多い。