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タンカー攻撃事件で安倍首相イラン訪問の「評価」は変わるか

成功・失敗を判断するいくつかの視点

「日本のタンカーが攻撃された」のか

ホルムズ海峡におけるタンカー攻撃事件は、事件の全容がつかめていない。攻撃の様態すら完全に明らかとは言えず、実行犯が早期に確証されることはないだろう。

アメリカはイランの仕業だと非難し、イラン革命防衛隊が不発機雷を除去しているとされるビデオ画像を公開している。ただしこれだけで動かぬ証拠となるのかどうかは、判然としない。

イラン革命防衛隊を攻撃したこともあるスンニ派系の「ジェイシュ・アドル(正義の軍隊)」のような反イラン政府系の組織によるものであったり、イランと敵対する周辺国がかかわっていたりする可能性も捨てきれない。

日本人にとって気になるのは、安倍首相とハメネイ師が会談を行っている時間に合わせて攻撃が行われたのか、攻撃対象の中に日本企業が借り上げているタンカーがあることを熟知したうえで標的を絞ったのか、といった点である。

実行犯による犯行声明もない以上、確定的なことはわからない。

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だが仮にハメネイ師の配下のイラン革命防衛隊が、安倍首相とハメネイ師の会談にあわせて日本企業が借り上げている船舶を攻撃したのだとしたら、そこには日本に対する警告のメッセージがこめられている、と考えざるをえなくなる。

つまりアメリカの意向の伝達役などをやっていたら、日本のホルムズ海峡における航行の安全も脅かされるぞ、という威嚇的なメッセージである。

もっともそれも日本で報じられているほど明確ではない。

日本のニュースでは「日本のタンカーが攻撃された」という言い方が定着しているが、海外のメディアはそのように報じていない。

そもそも攻撃されたタンカーは二隻で、一隻は日本の海運会社である国華産業が運航していたが、もう一隻は台湾の台湾中油が運航していた。二隻の乗組員はフィリピン人とロシア人で、日本人はいない。

「日本のタンカーが攻撃された」とだけ報道し続けている日本のメディアの姿勢は、国際的に見てバランスのとれたものとは言えない。