G20にて。日銀・黒田東彦総裁と財務省・麻生太郎大臣〔photo〕gettyimages

円高懸念、再び…日米欧「緩和バトル」のいまとこれからの正しい見方

日銀・黒田総裁に焦りあり

「通貨安欲求」を吐露し始めたECB

6月9日のロイターが、ECBの関係筋がユーロ安を目的として利下げに踏み切る可能性を口にしたことを報じた。

引用されている関係筋(ECBの政策当局者とされる)の1人は「利下げの理由は5つある」とし、「為替相場」と5回繰り返したという。

そして1ユーロ=1.15ドルは許容可能としながらも、1ユーロ=1.20ドルは注視すべき重要水準と述べたとされる。先進国の中央銀行政局者の発言としては目を疑うようなものだが、この報道を援護射撃するかのようなECB高官の発言が後に相次いでいる。

ECB幹部の面々〔photo〕gettyimages

まず、同報道の同日にはビスコ・イタリア中銀総裁が「予想通り事が進まなければ、われわれが行動することは疑いがない」と述べ、11日には元フィンランド中銀総裁(かつ元欧州委員)で次期ECB総裁候補ともされるレーン総裁が「政策理事会は行動すると決意しており、必要に応じてすべての政策手段を調整する用意がある」と発言している。

 

さらに12日にはビルロワドガロー・フランス中銀総裁がフランスのテレビ局に対し「現在の景気減速がブレーキを強く踏むことになれば、現在している以上の行動を取ることが可能だ」と述べ、同じくフランス人でこちらも次期ECB総裁候補として名が挙がるクーレECB理事が「インフレ率がECBの目標へと持続的に向かうことを確実にするよう、政策理事会は不測の事態に行動することを決意しており、必要に応じてあらゆる手段で調整する用意ができている」と緩和をほのめかした。