第2次朝鮮戦争に向けたアメリカの準備が進んでいる

まず韓国問題の見直しか
大原 浩 プロフィール

香港は危機的状況

香港は1997年に英国から中国に返還された。その際に約束された「1国2制度」は、香港の「高度の自治」を明記した1984年の「中英共同宣言」により、1997年の返還から50年間適用されるとされていた(社会主義政策を将来50年〈2047年まで〉にわたって香港で実施しないことを約束)。

しかし、雨傘運動が起こった2014年に、駐英中国大使館が、「現在では無効だ」との見解を英国側に伝えていたことが明らかとなり、さらには、中国当局は英下院外交委員会議員団による宣言の履行状況の現地調査を「内政干渉」として、香港入り自体を拒否していたこともわかった。

その後、2016年には反体制派書店「銅鑼灣書店」の関係者5人が失踪し、中国国内で長期拘束されるという事件が起こり香港の自由主義者、民主主義者を震撼させる。

そして今回、刑事事件の容疑者を中国本土に引き渡すことに道を開く香港政府の「逃亡犯条例」に反対する100万人規模のデモが起こった。

その後、香港政府は条例決議の延期を発表したが、共産主義中国の約束など信じることができない香港市民は、「撤回」を求めてさらに大規模な抗議活動を行っている。

しかし、残念ながら、心ある香港人のこれだけの反発にもかかわらず、香港の共産主義化は確実に進み、欧米などの先進国企業は次々と逃げ出すだろう。

1997年の返還前に多数の香港人がカナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどに逃げたが、彼らの心配は杞憂では無かった。韓国や北朝鮮同様、共産主義中国の「約束」もあてにならないことが証明されたのである。

 

本当の防衛ラインは台湾である

これまで述べた様に、韓国を含めた朝鮮半島は、民主主義の砦として守る必要がないというのが、トランプ大統領の判断であろう。

地上戦にもつれ込むと、多くの米国の若者の血が流されるので、国内世論に敏感なトランプ大統領は躊躇するだろうが、湾岸戦争のような「空爆電撃作戦」で朝鮮半島を焦土にする選択肢はあると考えられる。韓国を「砦」として残す必要がなければそれも十分可能である。

そのためにも、米軍とその家族は早く韓国から引き上げたいはずだ。

そして、米国の防衛ラインが日本海に後退するとともに、民主主義中国(中華民国=台湾)が、極めて重要な防衛ラインになる。

民主主義中国(台湾)は、第2次世界大戦を米国と共に戦った盟友であり、日本に続くアジアの民主主義のお手本でもある。

そもそも、米国や英国などとポツダム宣言に参加したのは民主主義中国(蒋介石)であり、毛沢東率いる共産主義中国が、彼らから領土を奪ったのだ。

だから、戦後しばらくの間は、中国といえば民主主義中国(台湾)を意味していた。

1978年の第2次米中共同声明以降、ほぼ同じ時期に始まった改革・解放が大成功したこともあり、共産主義中国が大手を振って歩いていたが、そもそもの中国は民主主義中国(台湾)であり、米国(特に共和党)の根本的スタンスもそこにある。

共産主義中国が「新・悪の帝国」とされ、民主化の可能性が無いと判断された今、米国が民主主義中国(台湾)を全面支援するのは当然である。

もし、共産主義中国が民主主義中国(台湾)にちょっかいを出すようであれば、朝鮮半島が焦土になる前に、台湾海峡封鎖などの軍事行動を引き起こすかもしれない。

これまでに台湾海峡危機は3回あり、第1次が1954~55年、第2次が1958年、第3次が1995~96年である。ちなみに、第2次台湾海峡危機の時には、アイゼンハワー大統領が「中国はまぎれもなく台湾侵略」を意図しているとして共産主義中国をナチスになぞらえた。

米国と共産主義中国の軍事紛争は現実に起こり得るのである。