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「アレ」に投資している人は要注意! トルコとロシア急接近の不穏

一見、安全そうに見えるが…

6月に入り、トルコ・リラが米ドルに対して堅調に推移している。リラの堅調さを支えているのが、市場参加者のトルコ・リラに対する楽観的な見方だ。米国のトランプ大統領がメキシコへの制裁関税発動を見送ったことを受けて、「表向きトランプ大統領は強硬姿勢をとりつつ、各国との落としどころを見つけようとしている」との見方が増えている。

そうした楽観論に加えて米金利の低下により、多くの投資資金が名目金利の高いトルコ・リラに流入している。目下、市場参加者の多くが、トルコの政治・経済のリスクに目をつむり、足もとの状況を楽観して目先の利得確保に動いている。ただ、昨年8月のリラ・ショックのように、リラは急速かつ大幅に下落する可能性がある通貨だ。過度な楽観は禁物だ。

 

高金利通貨トルコに引き寄せられる投資資金

水は高いところから低いところに向かう。これと対照的に、お金は、金利の低いところから、高いところに向かう。なぜなら、名目金利が少しでも高い商品に資金を振り向けたほうが、より高い利回りが期待されるからだ。リスクが相応に落ち着いている、あるいは不確実性に耐えられると考えられる場合、投資家はより利回りの高い商品を求める。

わが国の個人投資家は高金利を渇望し続けてきた。その理由は、国内の金利が低下し続けてきたからだ。6月中旬、わが国の10年国債の流通利回り(長期金利)はマイナス0.13%程度である。この環境下、多くの投資家が利回りの高いトルコ・リラなどの新興国の通貨を購入し、少しでも高い利回りを手に入れようとしているようだ。

特に、6月に入ってからトルコ・リラへの強気が増えている。5月下旬には、トランプ米大統領とエルドアン・トルコ大統領がG20大阪サミットで首脳会談を行うことに合意した。これを受けて、市場参加者は米国とトルコが対話を進めることで一段の関係悪化は避けられると判断した。

エルドアン大統領〔PHOTO〕Gettyimages

FRB(連邦準備理事会)による利下げ期待もリラ買いを勢いづかせた。米金利が大きく低下する一方、トルコの金利は5年で20%前後とかなり高い。米中摩擦への懸念はあるが、世界経済はまだ安定感を維持している。磁石が砂鉄を引き寄せるように、トルコの高金利が金利差を享受しようとする本邦個人投資家のリラ買いを吸い集めているように見える。

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