以下は、虐待した父親たちの発した言葉だ。

「生活態度についてしつけをした」

栗原心愛さんの実父、栗原勇一郎被告の虐待についての認識である。なお、心愛さんは性的虐待を受けていた疑いもある。暴力を「しつけ」「教育」として正当化していく。

「ルールを守れなかったときにしつけとしてやった」

この5月、11歳から17歳だったきょうだい3人に、ペット用のスタンガンで電気を流す暴行を加えた疑いが持たれ逮捕された福岡・北九州市小倉南区後藤孝宏容疑者の自供である。

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「勉強しなかったら電流」「片付けないと電流」「汚したら電流」

居間の壁、寝室、トイレ……家族が暮らす空間には至るところに父親への服従を強いる内容の文言と「電流」が書かれた紙が、50枚近く張られていたという。

母親たちはこうした言葉に言い返すもできず、受容し、また自分たちでもその言葉を吐く。服従するのはそこしか自分の居場所がないと思うからである。

私が児童虐待を止めるためには徹底した母親支援、特に経済的自立を提言しているが、それはこの呪縛を解いて、他にも居場所があることを実際に体感することが大事だからである。

そしてもう一つ、虐待する親たちが抱える課題=自己マネジメント能力との関係については、次回言及する。