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手が変形してモノが持てない…知られざる病「ヘバーデン結節」の恐怖

潜在的患者数は500万人とも

全ての指が変形していく

「スーパーでレジ打ちをしているのですが、4~5年前から右手の人差し指と薬指の第一関節の骨が太く膨らんで、少しずつ変形してきたんです。痛みもあったので整形外科を受診したところ『へバーデン結節』と言われました」(62歳女性)

「へバーデン結節」とは、聞き慣れない病名だが、一体どんな病気なのか。

「手の指の第一関節(爪のすぐ下の関節)の背面にこぶのような骨の隆起(結節)が見られる病気で、関節が赤く腫れたり、『水ぶくれ』ができたりすることもあります。当然、痛みを伴います」

こう語るのは、カサハラフットケア整体院院長で柔道整復師の笠原巖氏だ。

笠原氏はへバーデン結節の研究家であり、先頃、上梓した著書『あなたの指先、変形していませんか?指先が変形して痛い「ヘバーデン結節」の予防と治し方』は、現在12万部を超えるベストセラーとなっている。笠原氏が続ける。

「最初は1本の指から始まり、10~15年放置すると両手の全部の指が変形してしまいます。また親指の付け根にある『CM関節(母指手根中手関節)』にも痛みや出っ張り(亜脱臼)を伴うのが一般的です。ここに痛みが出ると、ペットボトルのふたを開けることもできなくなります」

笠原氏によれば現在、潜在的な患者数は国内で500万人にも上り、その数は年々増えているという。

ちなみに「へバーデン」という病名は、イギリスの内科医へバーデンが最初に報告したことに由来している。

 

指を曲げ伸ばしするときに痛みを伴い、悪化すると指を完全に曲げることができなくなり、最後はモノが掴めなくなる。

築地皮膚と手のクリニック院長の木村直弘氏が語る。

「へバーデン結節の患者さんの指をレントゲンで見ると、軟骨がすり減っています。軟骨が減ると当然ですが指の曲げ伸ばしのときに痛みを生じます。

さらに症状が進行すると、軟骨部分だけではなく軟骨の下の骨にまで影響が及び、指を動かすたびにその下にある骨同士がガリガリとぶつかりあって『骨棘』という棘ができます。この盛り上がった状態を『へバーデン結節』と呼ぶのです。

男性も患うこともありますが、圧倒的に女性に多い病気で、とりわけ閉経が始まる前の50代頃から60代、70代に多く見られます。老化や女性ホルモンの減少などが関係していると言われていますが、詳しい原因はいまだ解明されていません」