地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。
"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。
1790年に、政治家タレーラン(シャルル=モーリス・ド・タレーラン=ペリゴール:Charles-Maurice de Talleyrand-Périgord)が提案した普遍的な物理量基準の必要性に基づき、1799年のこの日、フランス政府が計量単位の統一事業を開始しました。
このとき提案された新単位系は、地球子午線の4000万分の1の長さを1メートルと定義するもので、この長さに相当する、白金を材料とした板状のメートル原器が計測の基準として採用されました。
この原器はアルシーヴ原器(Metre des Archives)と呼ばれています。その後、1869年には、アルシーヴ原器の長さそのものが1メートルの定義へと変更されるなど、数回の定義変更を経て、現在は「真空中で光が1/299792458秒間に進む距離」が1メートルの定義になっています。
メートルを含む7つの基本単位は、国際単位系(Système International d'unités[仏」、International System of Units:SI[英」)として国際的に定義されています。
国際単位系は、2019年5月に物理定数による新たな定義に改訂されました。特に質量(kg)は、SI 基本単位の中で唯一、国際キログラム原器という人工物による定義になっていましたが、この改訂で物理定数による定義になり、原器に依存しない単位となったのです。