「フェミニズム離れ」する若い女子が抱いている違和感の正体

ハッシュタグ運動から見えること
高橋 幸 プロフィール

やや専門的になるが、「女性」としての生活実感に基づいて、社会に意見主張していくという方法を確立したのは、「個人的なことは政治的なこと」を合言葉にした「第二波フェミニズム」である。

その意味で、既存の政治的イデオロギーに依拠してではなく、あくまでも自分の「女性」としての肌感覚に基づいて主義主張を行うポストフェミニストは、主張内容は異なるにせよ、社会に対峙するときの態度と方法の点において、第二波フェミニズムの継承者ともいえる。この点を重視し、ここではとくにポストフェミニズムの主張を注視する。

(1)アンチフェミニズム(32.6%)

まず、アンチフェミニズムとして、例えば、人工妊娠中絶に反対する宗教保守派女性や、家父長制を重視する女性などがみられた。

また、「すべての男性がレイピスト(rapist)ではない」、「男性を悪魔化(demonize)する必要はない」、「フェミニズムは男性嫌いの運動になっている」といった主張もある。彼女たちは、フェミニズムが「男性」一般を批判しているとし、フェミニズムこそが男/女という二分法(dichotomy)を作り出していると主張する。現状もはや男女不平等はないのに、フェミニストが男/女の二分法を使って議論することで、社会の男女の亀裂がもたらされかねないというのが彼女たちの主張だ。

 

ポストフェミニストたちの主張

次に、自らの生活実感に基づいてフェミニズム不要と主張する「ポストフェミニズム」だが、このタイプの主張は、さらに二つに分けられる。一つは、自分は「フェミニズムが言うような女性」ではなく「個人」だと主張する、「個人」主義。もう一つは、「母」や「妻」、「恋人」などの女性的な役割を通した自己実現を求める「性別役割重視」である。

(2)ポストフェミニズム・「個人」主義(47.8%)

「個人」主義とはどんなものだろう。典型的な主張として、例えば、自分は「抑圧された(oppressed)」「犠牲者(victim)」ではない「私は自分のチョイス以外の犠牲者ではない」、「フェミニズムは私の声ではなく、私の主張とは異なる」、「フェミニズムに私の声を代表・表象(represent)してもらう必要はない」などがある。

また、女性のなかで経済的自立を獲得している人も多く、女性差別を受けたことがないと主張する人もみられた。「私が一家の稼ぎ手(bread-winner)で、私と夫はお互いに尊敬しあっている」、「私は女性であることが不利だとは思わない」、「私はフェミニズムが必要ないと思う、なぜなら、アメリカに生きている私は平等な権利を持っているから。選挙権があるし、同一賃金(equal pay)を得ているし、平等に教育を受けていて、会社も経営できる」などがあった。