実家の空き家問題、「処分できる」「処分できない」の境界線はここだ

固定資産税の重い負担がのしかかる
曽根 恵子 プロフィール

売れない実家の「ある条件」

Kさんのストーリーどおりに母親の相続時に法定相続人のこどもや母親のきょうだいまで相続放棄の手続きをすることは可能でしょう。すると相続人がいないとなり、母親の財産は国のものになるはずです。しかし、母親名義の不動産が、自動的に国の名義になるわけではありません

国の名義にするには、相続人代表が家庭裁判所に「財産管理人」の選任申し立てをして、弁護士などに費用を払い、財産管理をしてもらいながら国に帰属する手続きをするようになります。

しかし、売却ができない不動産は、国も受け取りません。

 

空き家などの建物が残っている場合も同様で、更地にすることが原則しないと受け取りません。つまり、換金できるところでないと、ずっと弁護士に管理費用を払うことになりかねません。しかも、申し立て費用は100万円以上かかります。

つまり、負債だけ残った場合の相続放棄は裁判所への手続きで完了する場合と違い、不動産がある場合のほうが放棄するのは現実的ではないと言えるのです。

母親に贈与して相続放棄しても、売れない不動産や空き家の残る土地を国が引き取ってくれる可能性はほぼありません。そうなると、固定資産税の負担はし続けることになります。よってできるだけ早い時期に、処分したほうがいいというのがアドバイスです。