実家の空き家問題、「処分できる」「処分できない」の境界線はここだ

固定資産税の重い負担がのしかかる
曽根 恵子 プロフィール

田畑や山林にも固定資産税

父親が所有しているのは、祖父から引き継いだ実家と田畑、雑種地で15筆ほどもあります。価値のある土地ならば大歓迎となるのですが、Kさんも、姉も、歓迎できない状況でした。

というのも、Kさんの実家周辺は市街化調整区域というエリアの中にあり、基本は家が建てられないところなのです。家が建てられない地域は路線価評価ではなく、倍率評価をします。農家の家や昔から建っている家だけが特別に宅地となっていても、利用が制限されるため、一般的な流通がしにくい地域となります。

 

実家の土地は100坪あり、固定資産税評価額をもとに計算すると230万円の評価額になります。それに、建物は母屋、物置、車庫など4棟あり、こちらは220万円。合わせて実家の土地、建物の評価は450万円となります。

そのほか、実家には田、畑、山林、雑種地などがあり、固定資産税評価額を基本に倍率をかけて出すと、相続評価は500万円ほどになります。実家と合わせると950万円ほどになります。預金の500万円よりも、相続評価は高いのですが、そもそも姉もKさんも実家に戻って住む選択肢はありませんし、田畑や山林を利用する予定もありませんでした…。

〔photo〕iStock

姉は不動産はいらないと最初から言っていました。Kさんの本音も不動産はいらないのですが、昔から家は長男が引き継ぐものという空気があり、Kさんが相続するのが当然と言う流れで、不動産はKさんが引き受けることにしました。

空家の実家も、田畑や山林にも固定資産税がかかります。年額4万3000円と大きな額ではないものの、そもそも持ち出しのマイナスです。それでも長男という立場上、不動産はKさんが引き受けることで話が落ち着きました。

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