三菱地所、三井不動産、DeNA…話題の「自社株買い」が危険なワケ

株式市場に「死」をもたらす?
鏑木 邁 プロフィール

株式市場の死

この記者は、自社株買いは「株式市場の死」につながると言う。

「結局、自社株買いが横行しているのは、もはや株式市場からの資金調達が必要なくなったことの証明なのかもしれません。

特に日本では、銀行金利も低下する中で、株式市場から資金を調達するよりも融資を直接受けた方が有利になっている。近年の米株高は自社株買いの連鎖が起こしたという背景もあり、決して新しい産業が興隆したから株価が上がったとは言えないのもその証拠です。

世界中で大規模な設備投資などが必要となる案件が減っている。資本主義そのものが行き詰まりを見せているのではないか」

 

できるだけ短期間にリスクマネーを最大化したい株主と、中長期的な自己拡大を目的とする企業の利害は、究極的には一致しない。ただ、企業も株主も共存せねばならない以上、最終的には真に企業価値を高める戦略を持った企業のみが勝ち残る。

日本経済が長期停滞に陥り、株主の監視が強まる中で、企業はさらに厳しい経営判断が求められる。自社株買いは本質的な解決策にはならないだろう。