金正恩の“ラブコール”で見えた「暴走カード」を失った北朝鮮の行方

米朝会談から1年が経った…
高 英起 プロフィール

冒頭で紹介したように金正恩氏はトランプ氏との良好な関係を今も望んでいる。トランプ氏も昨年ほどではないが、金正恩氏との関係をキープすることにメリットを感じているようだ。

確かに昨年の首脳会談以来、非核化には大きな進展は見られていない。しかし、核実験とICBMの実験を一度でも強行してしまえば、米朝関係もトランプ氏と金正恩氏の関係も白紙になる。

結果的に、トランプ氏は金正恩氏の暴走を封じ込めた形だ。裏返せば、金正恩氏がこれまで使ってきたカードは、しばらくは使えないということである。もし、金正恩氏が核実験、またはICBMの実験を強行すれば…未来永劫、米朝関係の回復はありえないだろう。

 

金正恩氏は昨年から今年にかけて、中国、韓国、米国、ロシアとの国家元首と会談して北朝鮮の最高指導者として一定の評価を得た。その代償として、これまでのように「暴走」というカードを使えなくなったのである。