年金が不安…70歳まで働く時代に「大損」しないための豆知識

損のない働き方を考える
週刊現代 プロフィール

では、65歳で年金を受給開始した夫は70歳まで、どのくらいの時間、どのように働くべきか。

実は、年金と合わせた月の収入が合計で47万円を超えてしまうと、47万円を超えた分の年金が50%カットされてしまう(65歳以上の場合)。減額された分の年金は、永遠に受け取れない。

 

「47万円を超えないよう給与を抑えたければ、フルタイムで働くのではなく、会社と交渉して週4日だけ働くなど、給料を調節する方法もある」(社会保険労務士・山本喜一氏)

働く時間にも基準がある。週の所定労働時間の4分の3未満の勤務時間(一般的な企業では週に30時間未満)であれば、厚生年金保険料(給与の9%程度)を支払う必要はなくなる

もちろん、定年後の労働で再び厚生年金に加入すれば、退職後の年金受給額は増える。

だが、仮に70歳まで厚生年金保険料を支払うと、支払った分の年金を回収できるのは、前述のとおり81歳になる。万が一のことも考えて、65歳以降は週30時間未満、年金と合わせた月収は47万円以内に抑え、年金を最大限受給するべきだ。

一方で、妻も働くなら、どのような働き方が得か。

正解は、夫が年金受給を開始する65歳になるまではしっかりと働く。それ以降は、自分の年金の受給が始まる70歳まで、夫の扶養の範囲(103万円)で働くことだ。

「夫が年金を受給するまでは、生活をサポートする意味でも、フルタイムで働くのがいいでしょう。厚生年金保険料が天引きされますが、女性の寿命の長さを考えると、夫が65歳になるまで納め続けた保険料の分は十分回収できます」(前出・長尾氏)

夫が65歳以降は、夫の年金受給が始まる。このとき、妻が年収を103万円未満に抑えておけば、夫は所得税の配偶者控除(38万円分)を受けられる。夫の年金からムダに所得税が差し引かれ、損をせずに済むのだ。

夫婦ともに損のない働き方を実践しよう。

「週刊現代」2019年6月15日号より