ある日突然、「3500万円」もの遺産が転がり込んできた話

もし相続人になったら…
週刊現代 プロフィール

長生きをする人が増えると、亡くなる順番が前後するようになる。妻の実家の財産をもらえるか、混乱するケースもでてくる。

埼玉県在住の竹下一氏(81歳・仮名)が自身の体験を語る。

「義父が103歳で大往生してすぐ、妻が心筋梗塞で倒れました。息子夫婦も長野からかけつけましたが、2週間後に妻も亡くなりました」

相次ぐ不幸に動揺するなか、相続までなかなか手はまわらなかった。妻の葬儀まで終えて、やっと落ち着いた竹下氏は2つの相続に、頭を悩ませることとなった。

「専業主婦だった妻の財産は、預貯金が300万円だけでした。これは夫である私と息子で分けるというのは明白でした。

問題は、義父の財産です。本来は妻と妻の姉の2人で財産を分けるはずでした。しかし、相続人である妻は亡くなっています。だから初めは、私の息子が代襲相続をして義父の遺産の半分の200万円をもらうという話になっていました」

 

だが、実は竹下氏は大きな勘違いをしていた。

義父が亡くなった時点では妻はまだ生きていた。そのため、義父の遺産をもらう権利は、妻の相続人である竹下氏にもあったのだ。弁護士の澤田有紀氏が解説する。

「このケースではあくまで、2回の相続が起きているにすぎないのです。財産の分け方を話し合って名義変更をする、という相続手続きは終わっていなくても、相続の権利は消えません。これを代襲相続と間違えると損をします」

竹下氏は、結局、自分にも義父の財産を相続する権利があることに気づき、義父の遺産の2分の1である200万円を息子と半分ずつ相続した。