これから日本が直面する「無子超高齢化」の厳しすぎる現実

「老後2000万円」問題を考える
井戸 まさえ プロフィール

1984年には個人年金保険料控除制度が創設され、税制面での優遇措置もあって「養老保険」「終身保険」「個人年金保険」といった貯蓄性商品が積極的に売られていく。

それらに加入した人たちは公的年金だけでは老後望む水準の生活を過ごせるかどうか、また平均寿命が延びる中、自分たちの老後がいつまで続くかも不安だからこそ、貯蓄や投資を行ったのである。

ことほど左様に歴史的経過を見ても麻生大臣が言うように「いきなり100って言われて」というのは不見識である。少なくとも、30〜40年前から国民は「長生きする金銭的リスク」に関しての認識していたのだ。

ただ、公的年金だけでは老後は保障されないとわかりながらも、さすがに「最低限の暮らし」ぐらいは確保できるだろう等、どこかで「国のやることだから、最後は大丈夫」と思う、いや思わせて欲しいとの願望も含めた気持ちが、逆に自民党政権の継続を選ばせてきたのかもしれない。

 

1.57ショックと「老後破産」

「私、二十七歳、フリーライター。またしても保険なんかに加入してしまった。しかも年金保険という最もみっともないと思っていた種類の保険に入ってしまったのだ」

今の話ではない。ちょうど30年前に話題を集めた「結婚しないかもしれない症候群」(谷村志穂著・主婦の友社)の一節だ。

昭和が終わり、平成が始まった1989年に合計特殊出生率が1.57となる。迷信による「産み控え」があった丙午の1.58を下回ったことは衝撃をもって受け止められた。

子どもがいなくなり、少子化が進めば社会保障、特に年金は立ち行かなくのではないか。「少子」と「高齢化」の因果による「老後破綻」が初めてリアルに意識された時かもしれない。

そこで注目を集めたのが「結婚するかもしれない」けど「しないかも」、「子供も生まないかも」と、それまでの社会の結婚圧力から解き放たれた若い女性たちの存在だった。

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