食のスペシャリスト&グルメに精通する識者で構成される「FRaU Foodies」が、今イチオシの料理やスイーツなどをお届けします。今回は、これまでに5000個以上のパンを食べている、パンコーディネーターでモデルのパン野ゆりさん。一番好きな種類というバゲットの中で「最高」と称する一本とは!?

渋谷のホテル1階で作られる
素材・製法にこだわったバゲット

「バゲットはパンの中で1番好きな種類。初めて行くお店では必ずバゲットを買って、好みの味だと足繁く通います。バゲットが美味しいパン屋さんは何を食べても美味しい!(私調べ)」

国内外で1000軒を超えるパン屋さんを巡ってきたパン野さんが、「シンプルで飽きがこない。最高!」と推してくださったのが「koe lobby」のバゲット。

こちらは、昨年(2018年)にオープンした「hotel koe tokyo」の1階にあるベーカリーレストラン。モーニングからディナーまで、店内で作られる焼きたてのパンが食べられます。

7時30分〜10時30分(LO)はパンブッフェ(+メインA ¥1300、+メインB ¥1000)を実施。

今回選んでいただいたバゲットについてパン野さんは、「生産量が少ない国産小麦の中でも1パーセント程という“幻の小麦”北海道のハルユタカを100%使っていて、焼成する前に低温長時間発酵で2日もかけてじっくりと発酵させています。この手間ひまが美味しさに宿っています」と、そのバックボーンまで語ってくださいました。

これだけでも、このバゲットへの愛情の深さが伺えます。

UMAMIバゲット 1本¥280

そして、ビジュアルにも賛辞を贈ります。

「佇まい、見た目も秀逸。まるでオブジェかと思わせるようなしっかりとした焼き上がりは、さすがガス釡を使っているだけのことはあります」

では、お味はいかがでしょうか。

「クラスト(パンの表皮)のバリッとした歯応えと、モチモチのクラム(パンの中身)にとにかく食べる手が止まらない! 実際にモチモチっと音が鳴っているじゃないか? と思うほど。もう、この鮮やかな対比にうっとり……!」

パン野さんが音が鳴ってると錯覚に陥るほどのもっちりさの秘密は、粉1に対してお湯を5と通常よりかなり多く入れる湯種にあり。

そして、「手に持っているだけで小麦の旨味が漂ってくるかのような香りも良い!」という香りにも秘密があります。それは湯種に酒粕を加えているから、その甘さで小麦の香りが引き立つのだそうです。

「素材の良さ、小麦の旨味を味わえて、食事の最高なお供になります! でも、まずは何もつけずにかぶりついてほしいなぁ」

バゲットは、ミルクフランスやアマンドにも応用。いずれもバゲット生地で作られているのです。

手前:ワインレーズンのミルクフランス ¥250、奥:アマンド ¥250

ミルクフランスは、ミルキーなクリームを味わえる「ミルククリームフランス」(¥250)と、大人向けのワインレーズンの2種類を用意。

アマンドは、通常クロワッサンを使うところをバゲットで作るのが“koe流”。塩気のあるパンに合わせるため、中にシロップ、香りがたつように皮付きで作るアマンドクリームを塗って甘味を強くしているのがポイント。塩気と甘味の絶妙なバランスが楽しめます。

フルーツサンド ¥480

お店ではこの夏からフルーツサンドにも注力。開店当初からある食パンで、旬の果物とたっぷりの生クリームをサンド。しっとりとした口溶けの食パンと甘さ控えめの生クリームのタッグが、素材の甘味や酸味をうまく引き出しています。食パンの耳を敢えて残していて食べ応えがあるようにしているのも見逃せません。

果物はメロン、モモ、ぶどうの順にその時期に合わせて登場。「渋谷土産にいかがでしょう?」とパン野さんが提案してくれたバゲットと一緒に、フルーツサンドもおもたせの仲間に加えてみては。

koe lobby(コエ ロビー)
東京都渋谷区宇田川町3-7
☎03-6712-7257
営業時間:7:30〜23:00(22:30LO)<breakfast 7:30〜11:00(10:30LO)、lunch 11:00〜15:00(14:30)、tea time15:00〜18:00(17:30LO)、dinner 18:00〜23:00(22:30LO)>
定休日:なし

PROFILE

パン野ゆり Yuri Panno
パンコーディネーター、パンシェルジュ。日本全国のベーカリーを訪れ、年に数回は海外にも足を運び、パンを独自の視点で分析している。トークショーやラジオに出演する他、テキスタイルブランド「gochisou」と東日本橋の「BEAVER BREAD」とのコラボレーショングッズを発売。活躍の場を広げている。モデル・山野ゆりとして、雑誌や広告、CMなどに出演。モデルの職業を活かした、太らないパンとの付き合い方も考案している。

Photo:Tatsuya Hamamura Illustration:YUGO. Composition:Seiki Ebisu