文京区・茗荷谷に、日本人を快く迎える「シーク教寺院」があった

日本の異国を旅する・前編
室橋 裕和 プロフィール

日本人はもしかしたら、外国人がたくさん集まり住んでいると聞いて、なにか良からぬことをたくらんでいるのでは……なんて想像してしまうかもしれない。

しかしみんな、生活の便宜上そこを拠点としているだけであって、誰もが平穏な学生であり労働者だ。根が同じ人々がある程度、密に固まって住むのは自然なことなのだ。

 

もし彼らがどう暮らしているのか興味を持ったら、『日本の異国』をガイドとして、それぞれの外国人コミュニティを訪ね歩いてみてはどうだろうか。

高田馬場で知ったミャンマー文化

たとえば、高田馬場では夕暮れどき、周辺に点在する日本語学校から外国人留学生たちがたくさん出てくる。アルバイトに向かう顔の中には、タナカというミャンマー独特の日焼け止めである化粧を塗った女性の姿が見えるかもしれない。

街の各所にミャンマー料理のレストランがあり、友達同士で笑いあいながら食事をしている姿もある。発酵させたお茶の葉でつくったサラダ「ラペットゥ」や、「ヒン」というミャンマー風のカレーもいける。思いのほか、日本人の味覚に合うなと思ったりもする。

板橋にもミャンマー人のコミュニティが。寺院もありミャンマー僧侶が常駐

食材店に行けば、現地の調味料や野菜にハーブ、お菓子にインスタント麺などがごちゃごちゃと並び、現地の音楽が流れ、アジアの市場に迷い込んだような気分になる。故郷の味を求める人々が楽しげに買い物をする姿になんだか和まされる。

高田馬場にあるミャンマー食材店は見ているだけで面白い

日本の中にある、異国。

そこを旅するように歩いてみてはどうだろう。彼ら外国人が、警戒すべき他者ではなく、理解しあえる隣人だと思えるのではないだろうか。

「日本の異国」を訪ねてみよう

もちろん、外国人の急増に戸惑いを覚える日本人がいるのも当然だろう。それでも、外国人と距離を置き「怖い」「なにを考えているかわからない」とストレスを抱えるよりは、彼らの生活ぶりを実際に見たほうが、きっと不安も少なくなると思うのだ。

人口が減少し続ける日本はもう、外国人の労働力に頼る方向に舵を切った。これからさらにたくさんの外国人が入ってくるだろう。

であるならば、外国人は日本のルールやマナーを学ぶ必要があるし、彼らなくして社会を回せなくなった日本人は、外国人の文化や習慣をある程度は受け入れ、理解したほうが、お互いに住みやすい。

本格的な「移民社会」を前にしたいま、ネガティブな意見や報道もあふれる。だけど、もう少し前向きに良い関係性を模索してもみたい。