あの大女優たちが「ヌード」になった理由

売れようとしたのではなく…
週刊現代 プロフィール

'80年代、自らの身体を惜しげもなく晒して、日本映画を牽引した女優の代表的存在が樋口可南子(60歳)だろう。

彼女は22歳で『北斎漫画』('81年)に出演して、世間の度肝を抜いた。

北斎漫画北斎漫画

「新藤兼人監督が、あの大タコと女性の絵でも知られる卑猥な『北斎漫画』をテーマに映画を撮ると聞いて、劇場で見たら、樋口さんが物凄く官能的で驚きました。それには前段があって、樋口さんはTBSドラマ枠『ポーラテレビ小説』の『こおろぎ橋』('78~'79年)でデビューし、これ以上ないくらいの素朴な女性教師を演じていた。

銀座のあんみつ屋で働いていたところを、偶然スカウトされたばかりの樋口さんが、その2年後に、あれだけの役を生身でやる。演技の幅、度胸がある女優だと実感した作品です」(前出・樋口尚文氏)

 

この『北斎漫画』で、樋口は全裸で大ダコと絡み合い、喘ぎ声を上げる幻想的なシーンを見せた。

さらに'83年、谷崎潤一郎原作の『卍』では、高瀬春奈と女性同士でラブシーンを演じた。二人はパンティ一枚だけの姿となり、無言のまま高瀬が樋口の身体中を口で愛撫し続ける。一方の樋口は煙草を手にしたまま、高瀬の髪を撫でる。華奢な樋口とグラマラスな高瀬が抱き合う描写は、映画史に残る名場面だ。

この作品のラストでは、名優・原田芳雄との情交シーンをねっとりと演じている。このとき樋口は24歳。当時のインタビューでこんな話もしている。

卍樋口可南子出演「卍」

「私の腰の下の方にかなり大きなホクロがあるのよ。これは〝淫乱黒子〟っていうんだって。ここにホクロがある女は、セックスが好きでしょうがない女なんだそうだけど、大当たりじゃないの。淡泊かなんてきかれると、大ショック!

だいたい女優って仕事をしていること自体が、見せたいっていう自己顕示欲が強いわけでしょう。セックスだって、貪欲で自分が満足するまで続けたいという気が強いんですよ」(『週刊ポスト』'83年4月1日号)